有馬温泉瑞宝寺公園 秀吉の愛した紅葉の名所

有馬温泉瑞宝寺公園の紅葉・紅葉のメカニズム

瑞宝寺公園 写真瑞宝寺公園 紅葉 写真今回の「有馬ナビ」では、紅葉の名所「瑞宝寺公園」をひと足先にご紹介します。
先日、西宮市にお住まいのお客様より「有馬名勝」という非常に古い絵葉書セットをいただきました。また、龍泉閣の売店でも有馬の絵葉書セットを販売しているのですが、このような絵葉書セットに必ず名所として登場するのが「瑞宝寺公園」です。
今は、まだ、青さが残っていますが、真っ赤に紅葉する頃をご想像下さい。「龍泉閣写真館」では、有馬温泉の紅葉の進行状況を随時お知らせしていきたいと思います。


瑞宝寺公園 マップ

瑞宝寺公園 マップ

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瑞宝寺公園の紹介
瑞宝寺公園の紹介瑞宝寺公園の紹介有馬の中心街からループバスに乗って「瑞宝寺公園入口」または、「杖捨橋」で下車します。
瑞宝寺公園へは、「瑞宝寺公園入口」バス停から長い坂道を上ります。また、「杖捨橋」バス停からは、橋を渡り紅葉坂を上ります。

瑞宝寺公園の紹介坂を上って行くと、紅葉に囲まれた山門が見えてきます。この山門は、明治初年(1868年)京都の伏見桃山城の遺構から移築したと言われています。

山門をくぐると左手に食事処があります。紅葉シーズンのみ営業していますので、今は閉まっていますが、去年の秋には、おでん、うどん、甘酒などが楽しめました。元気なおばあさんたちが、お料理を作っています。

この瑞宝寺公園には、太閤秀吉が「いくら見ていても飽きない」と、ほめたという清閑な庭があります。また、時の経つのも忘れるという所から、別名「日暮らしの庭」とも呼ばれています。
秀吉の死後、慶長9年(1604年)に大黒屋宗雪が瑞宝庵を創設しました。その孫、寂岩道空は黄檗宗に帰依し、瑞宝寺を新しく建立しました。瑞宝寺公園の紹介文化年間(1804〜1817)には25代目である草頂文秀が堂塔伽藍をすべて完備しました。その法弟、慈定真戒が境内の整備に意を注ぎ、とりわけ、楓桜の植樹に努めました。この頃から瑞宝寺は「日暮らしの庭」、「錦繍谷」として、世に大きく知られてきました。

その後、瑞宝寺は明治6年(1873年)に廃寺となりましたが、昭和25年(1950年)豊臣秀吉の遺徳を偲ぶ「有馬大茶会」が始まり、また、瑞宝寺跡を神戸市が昭和26年(1951年)に公園として整備しました。毎年11月2日、3日の両日には、豊臣秀吉が千利休らと大茶会を催した故事にならい、有馬大茶会の野点が催されています。

公園内には、大きな石塔や秀吉が愛用したと言われる石の碁盤があります。
また、次のような和歌が書かれた歌碑が建てられています。

ありまやま ゐなのささ原風ふけば いてその人をわすれやはする 大弐三位(百人一首)この歌は、「後拾遺集」に収められており、「小倉百人一首」にも選ばれている恋の歌です。足遠になった男が女の心を探るような歌を寄せてきたので、「どうして私があなたを忘れたりするものですか。お忘れになったのは、あなたではありませんか。」と言い返した歌です。
瑞宝寺公園の紹介
この公園の中には休憩所が点在していますので、ゆっくり紅葉を楽しめます。
神戸市の「花の名所50選」にも選ばれており、春には美しい桜が見られます。



紅葉のメカニズム
紅葉のメカニズム赤い葉(カエデなど)と黄色い葉(イチョウなど)では、その色づく理由が異なります。
ここでは、簡単にそのメカニズムをご紹介します。

冬が近づくと植物は葉を落とすための準備として、葉と枝の境に壁を作ります。この壁によって、葉の中に蓄えられた糖分は枝の方に行けなくなり、葉の中に残ってしまいます。一方、葉緑体の中にある、葉を緑色に見せる色素、クロロフィルは老化してアミノ酸になります。

紅葉のメカニズム
黄葉と紅葉のメカニズム
葉っぱを形成する葉緑体の中には、黄色の色素カロチノイドも含まれています。クロロフィルの量の方がカロチノイドに比べて多いため、春から夏は緑色に見えます。ところが、秋になり、クロロフィルが分解されると緑色が消え、隠れていたカロチノイドの黄色が表に出てくるため、葉は黄色く見えます。

赤くなる葉では、葉の中に蓄えられた糖分やアミノ酸を材料にして、アントシアンという赤色の色素が合成されるので、赤く見えます。

紅葉の美しさは、いかに多くの糖分が葉に蓄えられたかと、葉緑体がいかに早く分解されるかにかかっています。昼間は暖かく、夜間に急激に冷え込むとクロロフィルの分解が早まります。昼夜の気温の差が、紅葉にとっては重要なポイントなのです。


龍泉閣スタッフ
今回の「Arima Navi」では、有馬の名所を尋ねました。日本最古の湯である有馬温泉には、まだまだ見どころがたくさんあります。今後とも、有馬の名所旧跡を随時ご紹介してまいります。
2002/09/18

※このページは2002年9月に発行されたものです。
最新の有馬温泉と周辺観光地の情報『龍泉閣日記』をご覧ください。

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