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龍泉閣スタッフブログ
有馬温泉は、約1400年にわたる歴史があり、日本書紀以来多くの古文書や物語にも登場します。長い年月の中で歴史資料の散逸が心配されていた所、兵庫県の県民交流広場事業の一環として「有馬文庫」事業も取り上げられました。数多くの資料を収集、整理する過程で有馬温泉にまつわる和歌が二千首以上もあることが分かりました。そこで、「百人一首」形式で取りまとめようとの趣旨で、歴史家として著名な田辺眞人先生(園田学園女子大学名誉教授)を中心とする「有馬温泉百人一首選考委員会」が編集に当たりました。「有馬史を読む会」や「有馬婦人会」など大勢のボランティアの皆さんのご協力を得て、4月1日に無事発行することが出来ました。この「有馬温泉百人一首」によって、地域の方々や来訪者の皆様の有馬温泉に対するご理解を深めることが出来るものと大いに期待しています。
有間皇子、和泉式部、花山院、柿本人丸、建礼門院、足利義詮、藤原俊成、藤原定家、蓮如、豊臣秀吉、小堀遠州、本居宣長、良寛、賀茂真淵、与謝野晶子、竹久夢二など歴史上有名な人物の和歌が集大成されており、今更ながらに有馬温泉の豊かな歴史と多くの人々に与えた癒しの深さや大きさが実感されます。作者のプロフィール、和歌の大意や出典などが要約されており、判りやすい解説書も付いているので、歴史資料としても優れています。絵札には「切り絵クラブ志刀会」メンバーによる、見事な出来栄えで趣きのある切り絵作品が採用されています。また、創業1800年というカルタ業界一の老舗である京都の「大石天狗堂」が製作を担当しています。
・いく里の暮れおどろかす声ならん この山寺の入相(いりあい)の鐘
暮れなずむ夕暮れの里の静寂をやぶる山寺の鐘。牧歌的情景を呼び起こす秀歌。
・有馬山浮き立つ雲に風そいて あられたばしるいなみ野の原
有馬名物はあられかと思うほどあられの歌が多い。“たばしる”の一語の鮮明な印象。
・泊まるべき方やいずこに有馬山 宿なき野辺の夕暮れの雨
昔、有馬は大変辺鄙な山奥で、迷いや野宿を余儀なくされた歌が多数残されている。
・浪速江のあしの痛みも有馬なる 湯に入りてこそよしとなりけれ
足、葦(あし)は葭(よし)ともいう、悪しと良しをかけて有馬温泉の療養効果を歌う。
・有馬笠 笠に姿はつつめども わが恋妻は人も知りきや
大正の画家、竹久夢二の屈折する心理が織り込まれている。
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