「有馬ナビ」では、4年前の創刊号以来、何度も有馬温泉の観光情報をご案内して参りましたが、今月号では、「有馬の観光案内:集大成バージョン(前篇)」として主要な有馬温泉の観光施設およびお寺・神社を網羅し、詳しくご紹介します。引き続き、次月号では、「集大成バージョン(後篇)」として、泉源・名所・その他の有馬情報を特集する予定です。
昨年に引き続き、今年の夏も就業体験(インターンシップ)として、神戸学院大学の菱川さんと阪南大学の大西さんのお二人に龍泉閣でお手伝いいただきました。その間に、「有馬の特産品とお店」というテーマで、猛暑の中、有馬の町内を歩き回り、ナビ原稿としてまとめていただいたものを、この長月号の第2部として掲載させていただきました。連日ご苦労様でした。
有馬温泉で、“お子様に優しい宿”を目指しております「元湯 龍泉閣」にぜひお越し下さい。大勢のお客様に有馬温泉にお越しいただけますよう、龍泉閣スタッフ一同お待ち申し上げております。


“Ryuusenkaku” Web Site in English
Thank you for visiting our web site. We publish a monthly newsletter "Arima Navi" on this web site featuring hot topics for sightseeing in Arima Onsen, Mt. Rokko, the Kobe, and the surrounding areas.
Arima Navi September issue features "Sightseeing Spots in Arima: Compiled Version" and the "Specialty of Arima" in Japanese only. We will continue to keep you informed of sightseeing spots in and around Arima Onsen on occasion.
All of the staff at Ryuusenkaku are eagerly waiting to serve the many visitors from around the world coming to the beauty of Arima Onsen and neighboring areas.

The Management
Ryuusenkaku
ryuusen@skyblue.ocn.ne.jp






有馬温泉の歴史は古く神話の時代までさかのぼります。江戸時代には、全国でも指折りの湯治場として日本三名泉にも数えられ、数多くの人々が有馬に訪れました。太閤秀吉が愛した温泉地としても有名です。阪神・淡路大震災の復興作業中に太閤秀吉の湯殿跡も発見されています。
有馬温泉は、大阪梅田より約1時間、神戸三宮より約30分とアクセスも良く、関西の奥座敷として親しまれています。泉質は、含鉄強塩泉の金泉と呼ばれる赤褐色の温泉で、「金の湯」と「銀の湯」という公共の外湯が2つあります。
有馬町内のご散策には、「有馬ループバス(大人100円)」が便利です。春は、善福寺や有馬川の桜、初夏は、念仏寺の沙羅の花や有馬川の蛍(ホタル)、秋は、瑞宝寺公園の紅葉と四季折々のお楽しみもあります。六甲山頂までロープウェイが直通しており、六甲の山懐に抱かれた歴史ある有馬温泉の街並みは、人々の心を癒してくれます。

このページでは、龍泉閣を拠点にしてお気軽にご散策いただける有馬の観光スポット・名所をご紹介しております。
有馬温泉の観光をご家族やカップルで、ぜひお楽しみ下さい。
有馬の観光スポットについては、これまでホームページや「有馬ナビ」で何度もご紹介しておりますが、今回、それらの“集大成バージョン”として合計38ヶ所を5つのジャンルに分けて取りまとめました。


▲ クリックすると拡大地図をご覧いただけます ▲



「有馬の観光案内:集大成バージョン(後編)」はこちら





善福寺、阪急バス有馬案内所を通り過ぎて、商店街のある坂道を約20m上ると、龍泉閣と同じ金泉(赤湯)を利用した外湯「金の湯」があります。
2002年末、旧有馬温泉会館を全面的に改築し、オープンした二階建ての外観は、有馬温泉の古い街並みに融け込むよう、伝統的な純和風になっています。
本格的な温泉の雰囲気を味わっていただくため、浴槽は男湯・女湯とも御影石づくりで、重厚な雰囲気を演出しています。広さは各29uあり、旧温泉会館よりもゆったりとしています。建物の外に、無料で楽しめる足湯コーナーや飲泉場を開設しており、こちらは無料でお楽しみいただけます。

入浴料 大人 650円(中学生以上)
小人 340円
幼児(3〜5歳)140円
3歳未満 無料
営業
時間
8:00〜22:00
(入館 〜21:30)
※7〜8月の土日祝、お盆期間は7:30〜22:00
休館日 第2・4火曜日(祝祭日の場合、翌日が休館)、 1月1日
TEL 078-904-0680

泉質:含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、打身、挫き、慢性消化器病、冷え性、疲労回復
飲用:純弱食塩泉、飲用の効能:慢性消化器病、慢性便秘





神戸市が旧有馬保養所を改修・整備して、2003年6月、有馬温泉の新しい観光スポットとして『有馬の工房』をオープンしました。「金の湯」と「太閤の湯殿館」の中間に位置し、周辺には、温泉寺、念仏寺、極楽寺、湯泉神社など歴史のある寺社仏閣が集まっています。
有馬の工房では、有馬千軒とうたわれた江戸時代の町屋を再現しており、当時の様子をしのぶことができます。また、有馬温泉の歴史・文化・自然・観光スポットなどの見所を紹介する「温泉ギャラリー」も設置されていますが、特に、コンピュータ・アニメーションによる有馬の紹介が好評です。また、2階には、有料の休憩室や会議室(和室・洋室各4室)があります。
多目的ホールでは、毎年7月に「有馬七夕ひょうたんまつり」、11月に「有馬大茶会」などの定期的な催しを行う他に、地域に根ざした新しい有馬温泉のイベントも次々に開催されています。例えば、04年11月には、胃の摘出手術後、マッターホルン単独登頂に成功した有馬在住の登山家で郷土史家でもある磯部道生氏の個展「ISOBE展」、06年8/24〜9/3には、有馬旅館協同組合主催の、大人でも楽しめる人形劇「大人の人形劇場」が開催されています。
さらに、1階には、手打ちそば処「全寿庵」があります。このおそば屋さんは、有馬川に蛍を復活させた有馬小学校の名物校長であった北村忠敬さんが経営しています。
アクセス 神戸電鉄「有馬温泉駅」より徒歩約8分
六甲有馬ロープウェイ「有馬駅」より徒歩約10分
料金 多目的ホール・温泉ギャラリー…入場無料
休憩室…1,000円/時間(和室)、700円〜/時間(洋室)、会議室…700円〜/時間
営業時間 9:00〜18:00
休館日 第4火曜日、1月1日
TEL 078-903-5554(9:00〜18:00)





外湯「金の湯」の直ぐ向かい側の建物が『有馬玩具博物館』です。1階には、おもちゃショップ「ALIMALI」、2階には、和食レストランがあり、3〜6階がお子様だけでなく、大人の方にも楽しんでいただける、おもちゃ専門のミュージアムです。チェコやドイツなど世界5ヶ国から集められた約4000点が展示されていますが、その中に、からくり人形が1300点もあります。
中に入ると直ぐに水色のかわいい初代ミゼットが出迎えてくれます。左手には、からくり人形作家、西田明夫氏のアトリエがあり、その製作過程を見学し、不思議な “からくり” の秘密を垣間見ることが出来ます。さらに、その奥にあるエレベーターで6階まで上がると、おもちゃワールド の始まりです。1950年代、テレビが普及すると、おもちゃも、大量生産、大量消費される時代になりました。しかし、この博物館では、子どもの成長に役立つ、本当の意味でのよいおもちゃを収集し、子どもの遊びと文化について考えていこうとしています。

6階「ドイツの伝統的なおもちゃ」:ドイツのおもちゃ職人によるミニチュアおもちゃを展示しています。ドイツ東部のエルツ地方には、おもちゃを製作しているアトリエが2000軒以上もあります。特に、チェコと国境を接するザイフェンは、チャイコフスキーのバレエ組曲のモチーフとなったクルミ割り人形の発祥の地として有名です。ザイフェン、グリュンハイニヒェン、オルベルンハウ、ベルヒテスガーデンなどにおいて、現在でも昔ながらの技術で作り続けられている、クルミ割り人形や煙出し人形、そして、ノアの方舟と動物たちのミニチュアを展示しています。

5階「現代のおもちゃ」:次々と目新しいおもちゃが現われ消えていく中で、子どもたちにとって本当によいおもちゃを作り続けるメーカーや作家も数多くいます。現代の子どもたちのために博物館が自信を持って選んだ、現代を代表するおもちゃのフロアです。

4階「現代のからくり・オートマタ」:動く仕組みまでデザインされた、現代のからくり人形「オートマタ」を展示しています。江戸時代に淡路島で人形浄瑠璃が発達しましたが、日本のからくり人形のルーツは兵庫県にあると言えます。

3階「ブリキのおもちゃと鉄道模型」:昔懐かしいブリキおもちゃの歴史と製作過程をご紹介するフロアです。ブリキおもちゃの歴史をたどると、江戸時代の茶運び人形に代表されるからくり人形、浄瑠璃人形にまでさかのぼります。1950年代までは、日本もブリキおもちゃの一大生産国でした。ここでは日本、ドイツ、スペイン、チェコのブリキおもちゃも紹介しています。また、ドイツ・メルクリン社の鉄道模型の実演があります。
入館料 大人(中学生以上)800円 、子ども500円、3歳未満 無料
(龍泉閣にご宿泊のお客様には、割引優待券をお渡ししています)
開館時間 9:30〜18:00
(入館 〜17:30)
休館日 第2・第3火曜日(祝祭日の場合、翌日が休館)
TEL 078-903-6971












極楽寺は、「金の湯」から100mほど坂を上った寺町にありますが、1995年の阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた復興作業中に、太閤秀吉の利用した湯殿の一部と見られる遺構が発見されました。これらの遺跡と出土品を保存・公開するため、極楽寺の境内にオープンしたのが「太閤の湯殿館」です。
大震災で損壊した庫裏(くり:寺の調理場)の修理中に、安土桃山時代の遺跡が発掘され、秀吉が造らせた「湯山御殿(ゆのやま・ごてん)」 の浴室や庭園の跡であると確認されました。湯殿の存在は昔から言い伝えられていましたが、古文書や絵図面などの文献資料はありませんでした。庫裏の下から400年の時を経て、数々の遺構や出土品が出てきたため、言い伝えが正しかったことが判明し、1997年に神戸市指定文化財の史跡に指定されました。さらに、1999年、これらの遺跡と出土した瓦や茶器などを保存・公開するとともに、 秀吉が愛した有馬温泉の歴史と文化を紹介するため、この御殿跡に「太閤の湯殿館」が開設されました。
館内には、蒸し風呂と岩風呂の遺構をそのまま取り込んで展示してある他、焼き物や瓦などの出土品、復元した龍の飾り瓦、さらには秀吉と有馬温泉の深い関わりを示す資料などが展示されています。内装には、安土桃山時代の「ふすま絵」や「飾り欄間(らんま)」のレプリカが取り入れられ、太閤秀吉の “夢の跡” を現代に再現しています。
入館料 大人200円
小中高校生100円
入館時間 9:00〜17:00
(入館 〜16:30)
休館日 第2水曜日
(他に臨時休業あり)
TEL 078−904−4304








「銀の湯」は、2001年に極楽寺(太閤の湯殿館)の東隣にオープンした「金の湯」の姉妹施設の外湯です。炭酸泉源から引いた温泉にラジウム泉をブレンドした銀泉を利用しています。神社やお寺が集まる周辺の街並みに合わせ、鐘桜をイメージした浴室部分など、シンプルで清潔感のある伝統的な和風の外観になっております。
炭酸泉は飲料用にも使われ、有馬の名物・炭酸煎餅の原料にもなっています。
浴場の天井が高く、外光を取り入れて明るい浴場です。銀泉は、無色透明で、お肌がツルツルになると女性に大人気です。
入浴料 大人 550円(中学生以上)
小人290円
幼児(3〜5歳)120円
3歳未満 無料
営業
時間
9:00〜21:00
(入館 〜20:30)
7〜8月の土日祝、お盆期間は、7:30〜22:00
休館日 第1・3火曜日(祝祭日の場合、翌日が休館)
1月1日
TEL 078-904-0256
泉質:単純二酸化炭素冷鉱泉・単純放射能温泉
神経痛、皮膚病、関節痛、五十肩、打身、疲労回復、筋肉痛、冷え性、慢性消化器病





2005年5月、有馬温泉の古泉閣の南側に、約50万点の切手を収蔵する「有馬切手文化博物館」がオープンしました。
郵便制度が始まって以来、約130年間に発行された日本の切手を中心に、各国から集めた貴重なコレクションもあります。世界的な切手のコレクターである同館の館長である金井宏之氏の日本手彫切手コレクションが「(財)郵趣文化センター」に寄贈され、同財団が建物を建設し、運営にあたりました。博物館の建物は、2階建て延べ約360uで、300年以上前に建てられた土蔵造りで、岩手県盛岡市で長らく馬事文化資料館として使われていた家屋を移築したものです。
アクセス 神戸電鉄「有馬温泉駅」から徒歩8分
入館料 大人500円
中・高生200円
小学生以下 無料
開館
時間
10:00〜16:00
(入館 〜15:30)
休館日 火曜日(祝祭日の場合、翌日が休館)および都合により休館
TEL 078-904-0024
<主な収蔵品:その中から3〜4千点が常時展示されています>
・郵便創業時に発行された手彫切手から現在までの普通切手・記念切手など約50万点
・創業以来の郵便事業の変遷を示す書類や作業記録、郵便作業に用いた物品類約1200点
・日本内外の郵趣に関する研究文献など約5万冊
<特色あるコレクション>
・100年前に郵送された貝ハガキ
・1840年、世界で初めて発行された英国の1ペニー切手が発行日に使用された封筒
・1871年に日本で最初に発行された「竜四十八文」など4種類の切手の未使用シート
・発行当日の消印がある、世界で初めて発行された英国ビクトリア女王の肖像切手、
・印刷されたが発売されなかった、世界で2枚のみ現存し、2003年の国際切手展で日本発行の切手で始めてグランプリを受賞した「桜切手和紙二十銭(イ)」
※注:ビクトリア女王の切手や「桜切手和紙二十銭(イ)」などは、5/17〜6/16の間だけ、開館記念として、特別展示されます。





六甲有馬ロープウェイの有馬駅の直ぐ下に「有馬ます池」があります。初心者でも簡単にニジマス釣りができ、お子様連れからカップルまで大人気です。釣ったニジマスは、その場で料理してもらって食べることができます。頭から丸ごと食べることができて、カルシウムたっぷりの唐揚げがオススメです。
園内にある「ますの茶屋」では、唐揚げ、塩焼き、甘露煮などの一品料理をいただけます。ご家族連れ・グループでの昼食にご利用下さい。
入園料 大人150円(中学生以上)
小人 80円(小学生)
お得なクーポンはこちらをクリックしてください。

釣り料 小マス釣り…1,030円(3尾付き・料理込み)
釣り上げた魚は唐揚げか、塩焼きにします。料理されない方は、甘露煮をお持ち帰り下さい。4尾以上は、1尾260円(料理込み)でお買上げになります。

親マス釣り…竿代100円
平均1.2kg魚を放流。釣り上げた魚は100g 280円でお買上げになります。
注:釣り上げた魚は池に戻せません。料理していませんので、保冷箱(別途販売)にてお持ち帰りになります。
アクセス 六甲有馬ロープウェイの有馬駅から直ぐ
営業
時間
9:00〜17:00
休園日 毎週 水・木曜日。12月・1月・2月は毎週 水・木・金曜日
(祝日は開園し、後日に休園います)、年末と元日は休園。
※春・夏休み、ゴールデンウィークは無休
TEL 078-904-0309







善福寺は、奈良時代に行基上人が開基し、仁西上人が再興したお寺で、温泉寺から分かれ、現在は曹洞宗の禅寺となっています。「阪急バス有馬案内所」の直ぐ向かい側にある山門をくぐると、境内には美しい枝振りで人の目を楽しませてくれる樹齢250年を超える一重の枝垂れ (しだれ) 桜の古木が5本あり、糸桜 (イトザクラ) と呼ばれています。有馬温泉のお花見スポットの一つとして、「神戸市民の木」、および「神戸の名木」に指定されています。夜間はライトアップされ、太閤通りや阪急バス有馬案内所から美しい桜を眺めることができます。毎年4月の桜祭りの後、桜の茶会が開催されます。
太閤秀吉は、千利休とともに善福寺やその末寺である阿弥陀堂で何度も茶会を開いており、今でも、毎年11月2日になると、秀吉を偲んで有馬大茶会の献茶式が行われます。善福寺は、古来、有馬温泉の「一の湯」の灯明を献じていたので、秀吉から「灯明坊主」として扶持米を与えられていたと伝えられています。また、阿弥陀堂住職の猪のような頭の形を面白がった秀吉が千利休に命じて、その形に似せた大ぶりの茶釜を天下一与次郎という釜作りの名人に作らせたところから、その釜は、「阿弥陀堂釜」と名付けられ、今も善福寺に伝えられています。これが茶の湯で“阿弥陀堂”と呼ばれる形の釜の起こりです。
この寺のご本尊である阿弥陀如来像は、天竺 (インド) 伝来の金仏で、多田源氏の祖である源満仲の守り仏であったとされています。また、黒光りする高さ約68cmの聖徳太子の童子像がこの寺に祀られていますが、運慶4代目の仏師「湛幸」の銘がある、ヒノキの寄せ木造りで、鎌倉時代中期の優れた作品として国の重要文化財に指定されています。





念仏寺は、「金の湯」から100mほど坂を上った寺町にあります。秀吉の正室、北政所「ねね」の別邸跡と言われる見晴らしのよい、有馬温泉の中心街でも一等地の高台にあります。岌誉上人の開基で1538年に創建されました。ご本尊は快慶作と伝えられる阿弥陀仏立像で、法然上人画像「月輪御影(つきわのみえい)」も寺宝として所蔵されています。また、神戸七福神巡りの一つ“寿老人”も祀られており、参詣人が年中絶えません。当初は谷之町にありましたが、約400年前に現在地に移っており、1703年の有馬大火災により焼失しましたが、1711年に再興されました。翌1712年に建立された本堂は、有馬温泉で最も古い建築物とされています。また、この寺の石垣も有馬で一番古いと言われ、「ねね」が寄進したと伝えられる見事な石材が使われています。
この寺は、沙羅双樹、蛤(はまぐり)石、雀石のある美しい庭園があることでも有名です。この庭園は、樹齢270年という沙羅双樹の大樹があるので、「沙羅樹園」とも呼ばれています。この沙羅双樹は夏椿とも呼ばれる純白の花で、開花しても一日で散ってしまい、平家物語のように人生のはかなさを感じられる花と言われています。次から次へと咲き、散り行く花は、美しい苔の庭一面に散りばめられます。ここでは、毎年6月下旬、沙羅の花が咲く頃になると、「沙羅の花と一弦琴の鑑賞会」が開催されます。この鑑賞会では、本堂でお茶会の後、ご住職の法話があり、その後、須磨琴保存会の先生方の一弦琴の演奏が開かれます。





温泉寺は、「金の湯」から100mほど坂を上った寺町にあります。薬師如来のお導きで有馬を訪れ、有馬温泉の開祖とされる行基上人によって、724年に建立された古刹で、江戸時代の中期以降は、禅宗黄檗派になっています。その後、鎌倉時代の初めに温泉を再興された仁西上人を中興の祖と仰いでいます。毎年1月2日には、行基上人像と仁西上人像を神輿に乗せて、有馬の温泉街を練り歩いた後、初湯で沐浴していただく入初式(いりぞめしき)が古式ゆかしく行われます。
温泉寺は、かつては、本堂の薬師堂を中心に湯泉神社(湯山三所権現)や別当権現坊などがある大きなお寺でしたが、幾度もの火災に遭い、次第に衰退してきました。1576年に全山に及ぶ大火災で焼失しましたが、直ちに北政所「ねね」によって再建されました。 その後、再び火災があり、1582年に現在の薬師堂が建立されました。しかし、明治政府の廃仏毀釈の方針で、秀吉が有馬大茶会を催したとされる阿弥陀堂も含め、薬師堂以外の堂塔は全て取り壊されてしまいました。その後、廃寺となった旧温泉寺の奥の院であった黄檗宗清涼院が寺籍を継いで現代に至っています。
ともに重要文化財に指定されている波夷羅大将立像や黒漆塗厨子など多くの寺宝が所蔵されています。黒漆塗の小厨子は、内部に極彩色の諸仏、両扉には文殊菩薩と普賢菩薩の図が繊細に美しく描かれており、鎌倉時代の作とされています。また、本堂前にある伝平清盛五輸塔と伝慈心坊尊恵五輸塔も、鎌倉末期の作と伝えられています。
境内には、温泉寺に併設して、資料館「御祖師庵(みそしあん)」があります。ここは、室町時代に描かれた「温泉寺縁起(えんぎ)」にスポットをあてて、温泉寺の由来を解き明かし、有馬温泉の源流を紹介する施設です。(拝観料: 大人100円、小人50円)





極楽寺は、「金の湯」から100mほど坂を上った寺町にあります。聖徳太子によって593年に創建されましたが、江戸時代に大火で焼失しました。火事から9年後の1728年に再建されたのが現在の建物です。阪神淡路大震災で大きな被害を受けた庫裡の再建の際に、床下から太閤秀吉が造らせた「湯山御殿(ゆのやま・ごてん)」の一部と見られる遺構が発見されました。これらの遺跡と出土品を保存・公開し、秀吉とゆかりの深い有馬温泉の歴史と文化を紹介するため、極楽寺に隣接して建てられたのが「太閤の湯殿館」です。

古い歴史のある寺で、かつては念仏宗の大道場として栄えたと言われています。ご本尊は阿弥陀如来像(円求上人作、高さ91cm)で、寺宝の厨子は、第5代将軍 徳川綱吉の母である桂昌院の寄進とされており、他に火除観世音菩薩や法然上人ゆかりの橋杭地蔵尊、法然上人と善導大師の二祖対面図なども宝物とされています。





林溪寺は、「金の湯」から南東に300mほど坂を上った所にあります。林渓寺には有馬保育園が併設され、温泉寺や湯泉神社とともに子授けの寺として有名です。
1601年、落葉山の麓に池の坊法順が開基したと伝えられる浄土真宗大谷派の古刹で、江戸時代には東本願寺の別院として「有馬御坊」と呼ばれていました。1695年、火災により焼失し、再建されましたが、1753年に再び類焼しました。その翌年に落葉山の麓から現在地に移され、本堂が上棟されて、現在に至っています。仏師春日による阿弥陀如来像(1651年の作)をご本尊とし、中国より渡来した約300年前の作である慈母観音(子授観音)、親鸞上人絵像(1608年の作)を寺宝としています。
境内に樹齢200年以上の八重咲きの紅梅があります。1781年、本山の19世乗如上人(本願寺の門主)が有馬入湯の折に、蕾のうちから紅色が殊に深く、美しいのを見て、『未開紅』と名付けられました。古くから、この梅の実を食べると妊娠すると伝えられ、別名、「はらみの梅」とか、「にむしんの梅」とも言われています。










「金の湯」から南に向かって坂道を上ると、愛宕山中腹の高台に湯泉神社があります。この神社には、有馬温泉を最初に発見したと言われる、大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)、それに熊野久須美命(くまのくすみのみこと)の三神が祀られています。大己貴命と少彦名命が薬草探しをしていたところ、三羽の鳥が傷ついた体を赤い湧き水で癒しているのを見て、温泉を発見したと伝えられており、拝殿の軒下には三羽の鳥の像があります。湯泉神社は、明治時代になって、温泉寺の境内から現在地の高台に移設され、有馬温泉の守り神として人々の崇拝を受けてきました。
平安時代初期に選上された「延喜式」のなかに、492ある大社の一つとして「湯泉神社(ゆのじんじゃ)」と記載されており、その歴史の古さを誇っています。





愛宕山の南東に標高689mの射場山(いばやま、旧称:功地山 くむちやま)がありますが、その中腹に有馬稲荷 (稲荷神社)があります。
舒明天皇・孝徳天皇(630〜670年代)の有馬温泉行幸の折に、有馬の杉が谷に有馬行宮 (杉が谷行宮)が造営されました。この有馬行宮の守護神として稲荷大神を勧請し、これが「有馬稲荷」の発祥となりました。その後、千数百年の間、常に皇室の崇拝をあつめ、1868年には有栖川宮織仁親王のご令旨により永世宮家祈願所となりました。以来、皇族の方々が度々お参りになり、社殿を建てられたり、修理されたりしました。
1904年、射場山の中腹に新たに四季の花木を植えて、稲荷神社を有馬行宮跡から移転し、造営しました。参道を上ると、本殿より一段高いところに展望台があり、三丹州と呼ばれる丹波・丹後・但馬まで見渡すことができます。ここからの眺めが素晴らしいので、有馬名所の一つに数えられていますが、特に、射場山の中腹に白く咲く“こぶしの花”が有名です。





有馬温泉を見下ろす、標高533mの落葉山(おちばやま))の山上、阪急バス有馬案内所付近から南西方向に500mほど坂道を登った所に妙見寺があります。南北朝時代には、お寺の境内がある辺りに、落葉山城 (別名 有馬城)が築城されたと伝えられています。その後、戦国時代には、この城をめぐって何度も戦火がありました。1539年、三田城主の有馬村秀の支配下となりましたが、1579年、織田の軍勢に攻められ、落城しました。その後、1906年に余田左橘右衛門が愛宕山の麓にあった妙見宮を移し、城山の頂上に妙見寺を建てました。北斗七星の冠をかぶった、見事な出来栄えのご本尊は、足利義満が金剛寺に寄進したと伝えられる北辰妙見尊像です。

このお寺では、毎年2月初めに節分会とも呼ばれる「星祭り」があります。豆まき行事はなく、各自の星に従って、厄除けや開運の祈祷をお願いするため、大勢の参拝客が訪れます。落葉山は、人の立ち入ることが少なかったため、珍しい種類の紅葉がたくさん残っています。山頂から一望できる四季折々の眺めは素晴らしく、北摂の山々が美しい姿を見せてくれます。





「有馬ナビ長月号(第2部)」は、私たち、“ひっし〜&ゆかりん”のコンビが担当させていただきます。私たちは、8月7〜19日までの約2週間、インターンシップ生として龍泉閣でお世話になりました。
皆さん、温泉に行くと、その地方の特産品をお土産やその旅行の思い出の品として必ず買われませんか?そこで、今回、私たちは、『有馬温泉の特産品』にスポットを当ててみました。有馬名産を扱っているお店の多くは、「金の湯」から林渓寺に続く坂道に立ち並んでいます。この道が昔の風情をそのままに残している、有馬の歴史街道「湯本坂」です。
では、有馬籠の「轡(くつわ)」から金泉染の「きらくや」まで順に散策して参りましょう。



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「金の湯」前の湯本坂を上っていくと、妬 (うわなり) 泉源があり、その角を右手に曲がると、有馬名産として人気のある有馬籠(かご)の工房があります。現在、有馬籠を製造しているお店は、「竹芸有馬籠くつわ」ただ一軒です。私たちは、そのお店の社長である轡 昭竹斎(くつわ・しょうちくさい)さんのお話を聞かせていただきました。轡さんのお話によると、江戸時代には有馬の籠屋町(かごやちょう)に、有馬の良質な竹を使って籠や茶道具などの竹細工を作っている所が数多くあったようですが、太平洋戦争などにより廃業が相次いで、その数が減ってしまい、今では「くつわ」さんだけになってしまったそうです。
ちゃんとした売り物になる籠を作れるようになるには、最低でも20年の修行が必要と言います。このこともまた、職人が減ってしまった原因のようです。若者は20年も修行するよりも、都会に行くことを選んでしまうからです。
現在では、何を製造するにも機械が導入されていますが、有馬籠は一つ一つ材料から手作りします。種類にもよりますが、一つの商品を作り上げるのに約5日間もかかるそうです。簡単な仕事ではないけれど、今後とも、この伝統を守ってほしいです。
営業
時間
9:00〜18:00
定休日 毎週水曜日
(祝祭日は、営業)
TEL 078-904-0364

<ゆかりんのコメント>
轡さんのお話をお聞きし、有馬籠を作っている様子を見せていただいていると、職人の手をしているなぁと心から感じました。また、私は現在21歳ですが、一人前の職人になるのに、20年はかかると聞いて、私が生きてきた年月と同じだけかかり、とても大変で、すごい仕事なんだなぁと思いました。今後も、このような伝統ある物は大切にしていってほしいです。
<ひっし〜のコメント>
店内で直接作っているところを見学でき、リズム感ある手さばきに年季を感じました。畳の上に座り、材料を広げ作業する姿はまさに職人!という感じでした。ただ、お話を伺って、伝統工芸の抱える問題が有馬にも存在することを痛感しました。一つ一つ丁寧に手作業された作品をぜひ直にご覧ください。





妬 (うわなり) 泉源から少し湯本坂を下っていくと、有馬筆(人形筆)のお店「灰吹屋 西田筆店」があります。奈良時代の孝徳天皇は、御子が一向に生まれないのを嘆かれていましたが、お后が有馬温泉に逗留されたところ間もなくご懐妊し、有間皇子がお生まれになったと古事記に記されています。そんなエピソードからヒントを得て、1559年、神戸の伊助という職人がお土産用に人形筆を考案したと伝えられ、約450年の伝統を持っています。しかし、大正時代まで、4〜5軒あった人形筆作りの店も、今では西田筆店だけになっています。
有馬筆は、手に持って書こうとするとかわいい人形が飛び出し、書き終わって筆立てに納めようとすると人形が筆の中へ隠れてしまいます。仕組みは、とても簡単で針金と糸と重りからなっています。筆の中の重りが上下することで、逆に人形が上がったり下がったりします。単純な仕掛けですが、とてもよく出来ており、感心させられます。また、この筆は、日本刺繍に使う細い絹糸を何種にも巻いて特長のある美しい模様を見せてくれます。一本の筆を作るために何人もの人が分担して作業します。筆の柄には基本の模様があり、市松、矢絣(やがすり)、青海波、鱗(うろこ)の4種類あり、これらを組み合わせて色々な模様が作られています。
営業
時間
9:00〜17:30
定休日 毎週水曜日
(祝祭日は、営業)
TEL 078-904-0761


<ゆかりんのコメント>
現在では、たった一軒しかない貴重な有馬筆のお店です。おばあさんが一生懸命、気持を込めて作っている有馬筆はとてもかわいらしく、目を奪われる物ばかりでした。有馬を訪れた際には、ぜひ訪れてほしいお店の一つです。
<ひっし〜のコメント>
お店の中に入ると色とりどりの有馬筆があり、つい一つ一つに目を向けてしまいました。店内から筆に糸を巻きつけている作業場の様子を見ることができて、丹精込めて作られているのがよく分かりました。





西田筆店の向かい側に、松茸昆布や有馬山椒を扱う佃煮の老舗「川上商店」があります。松茸昆布は、江戸時代から有馬で作られています。有馬の周りの山々で松茸が採れたことと、北海道の松前藩から北前船によって昆布が京都や大阪に集まり、大阪に近い有馬でも手に入れやすかったのが、松茸昆布を作るきっかけになったようです。松茸の代わりに椎茸でも作られましたが、椎茸独特の匂いが残ることや、高級感、歯ざわりの違いからやはり、松茸と昆布の組み合わせがよかったそうです。
また、有馬山椒は、松茸昆布よりも歴史が古く、室町時代からありました。実と花があり、それぞれ収穫時期が違います。山椒を入れて炊いたものを有馬煮と呼ぶことがあるほど、有馬山椒は浸透しているようです。
営業
時間
9:00〜17:00
定休日 毎週水曜日
TEL 078-904-0153


<ゆかりんのコメント>
有馬に来て初めて、松茸昆布の存在を知りました。とても高級だと思っていた松茸が気軽に白いご飯と食べることができるのは、とてもうれしいことです。また、有馬山椒には実の部分と花の部分があり、両方ともおいしくいただけます。有馬では山椒が使われたタコ焼きや醤油などもあります。ぜひお試し下さい。

<ひっし〜のコメント>
第一印象では、どうして松茸と昆布を一緒にするようになったのかと疑問に思いました。しかし、お話をお聞きして有馬の歴史と深く関係していると知って、納得しました。特産品一つにも有馬の歴史の古さが見えてくることに感動しました。松茸昆布も山椒の佃煮も温かいご飯と一緒に召し上がることが一番のお奨めだそうです。





更に、湯本坂を金の湯に向かって下っていくと、手焼き炭酸せんべいの老舗「三津森本舗」があります。
1907年頃、三津森本舗の創業者、三津繁松氏は、江戸末期の蘭学医、緒方洪庵の次男で医師の緒方惟準氏から、有馬温泉の炭酸水を利用して煎餅を焼くことを指導され、薄く焼き上げた炭酸煎餅を完成させました。原材料は、小麦粉、片栗粉、砂糖、塩という天然素材で、これらを炭酸水で練り上げます。なんといっても、有馬温泉の炭酸煎餅は、健康食品です!バターや卵、その他の添加物が一切使われていない体に優しい自然食品のルーツなのです。有馬温泉で唯一手焼きによって伝統の味を守り、製造しています。
営業
時間
8:30〜18:30
(手焼き作業の見学 9:30頃〜15:30頃)
定休日 年中無休
TEL 078-904-0106


<ゆかりんのコメント>
私たちが訪れた三津森本舗さんで、炭酸煎餅を作られている様子を見ることができました。二人の方が作られていましたが、とても息が合っていてスピーディーに作られていました。
出来立ての炭酸煎餅をいただきました!あっさりしていて、とてもおいしかったです。

<ひっし〜のコメント>
炭酸煎餅ってどんな味がするんだろう?とずっと思っていました。今回、初めて有馬に来て、炭酸煎餅も初体験しました。とても軽いのですが、食べるとボリュームも感じました。甘くて、さっぱりしつつもボリュームもある有馬温泉の定番です。ぜひお召し上がりください!





阪急バス案内所の向かい側に「酒市場」という酒屋さんがあります。ここには、お酒だけでなく、「有馬サイダーてっぽう水」が売られています。1873年、湯山町(現在の有馬町)の町長、梶木源次郎氏がかつて地獄谷と呼ばれた有馬の杉ヶ谷に炭酸ガスを含む鉱泉があると聞き、県庁に調査を依頼。1875年、内務省大阪司薬場の検査で、良質の炭酸水であると判定されました。そして、1901年、日本で最初に炭酸泉を利用してサイダーが製造されました。その後の業界の競争に勝てず、1926年に有馬での製造が中止されました。
2002年秋、有馬温泉の町おこしとして、「有馬八助商店」という昔風の社名の合資会社が設立され、明治時代のサイダーが「有馬サイダーてっぽう水」として復刻されました。現在、出回っている市販のサイダーと違って、炭酸が少しきつく、甘さが抑えてあります。その炭酸は、1度フタを開けても、また、フタをすると、1週間おいても変わらない味を楽しむことが出来るので、サイダー割りにも適しています。この「有馬サイダー」には、こだわっている点がいくつもあります。まずは、サイダーのビンです。つい最近まで全国から集めた昔のビンを再利用していました。しかし、なかなか集まらないことや、割れやすいため、現在は、新たに改良されたビンになっていますが、今でもビンを再利用しています。
市販のサイダーには、液糖や甘味剤が使われていますが、「有馬サイダー」には、上白糖が使われており、これがスッキリした甘さの秘訣です。しかし、上白糖を溶かすのは、手間ひまがかかり、すごく大変なようです。フタは、王冠で作られています。この王冠のこだわりは、活版印刷特有の、字体がややつぶれた感じを再現してあることです。ラベルには、TAIHO WATERとローマ字で書かれ、大砲の絵が使われています。これは、昔の有馬サイダーが「鉄砲水(てっぽうすい)」と呼ばれていたので、それになぞらえています。また、機械を使わず、ラベルを1枚ずつ手作業で貼っていますが、ラベルが剥がれやすいので大変苦労されたそうです。
また、取材させていただいた酒市場さんには、“白鹿 原酒しぼりたて”“大吟醸”という限定販売のお酒があります。“白鹿 原酒しぼりたて”は、生なので冷やすとおいしく女性に大人気です。“大吟醸”は少し辛口ですが、上品な味です。こちらもお試し下さい。
営業
時間
9:30〜18:00
定休日 毎週水曜日
TEL 078-903-1126





<ゆかりんのコメント>
ありまサイダーを1本いただきました。1本でもすごいボリュームで、少々時間を空けて飲んでも開けたてと同じようなおいしさでした。サイダー自体もそうですが、ラベルも昔と変わらない伝統が守られたサイダーです。とても大人気で、すぐに売り切れてしまうそうです。どうぞお早めに!

<ひっし〜のコメント>
一口飲んですぐに炭酸のシュワシュワが口いっぱいに広がります。飲み飽きないスッキリした甘さでごくごく飲めます。けれども調子に乗ってガバガバ飲みすぎないように、ご注意ください!





神戸電鉄 有馬温泉駅の直ぐ正面に、明治元年創業の和雑貨の老舗「吉高屋」があります。「有馬ループバス炭酸せんべい」は、赤色をベースにしたレトロな感じの入れ物が目を引く有馬の人気特産品ですが、この生みの親が吉高屋社長の吉田佳展さんです。有馬旅館協同組合から依頼され、レトロ調で懐かしくかわいい入れ物のデザインを考えつかれたそうです。

当時は、ループバスが走り出して間もなくで、まだループバスを利用されるお客様が少なかったため、吉田さんは、ループバスを大勢のお客様に利用してほしいという願いを込めて現在のデザインを考え出しました。このデザインは、50年ほど昔の有馬の名所など有馬らしさを出すとともに、お子様に入れ物を使ってほしいという思いから、ヒモをつけ、双六のデザインにしたそうです。今では、お子さんやお孫さんへのお土産に最適というので、おじいさんやおばあさん、お父さんやお母さん、また、若い女性にも大人気です。
営業
時間
9:00〜21:00
定休日 毎週水曜日
(祝祭日は、営業)
TEL 078-904-0154



<ゆかりんのコメント>
レトロな感じの入れ物のデザインがとてもかわいくて、つい目に止まってしまいます。女性の方は、特にお土産の入れ物などがかわいと、ついつい残しておきませんか?この「有馬ループバス炭酸せんべい」の入れ物もまさにその仲間入りです!このデザインの中には、有馬ループバス炭酸せんべいのバッグが・・・!お探し下さい!

<ひっし〜のコメント>
とにかく赤い色の入れ物が目立ちます。しかし、ただ絵が描いてあるのではなく、双六という遊び心があるのには驚きました。テーマは、とにかくレトロ感ということですが、少し不思議な感じも入れられたそうです。この双六をご覧いただくと、きっと懐かしく、ふわふわした気持ちになるはずです。





神戸電鉄 有馬温泉駅の直ぐ北隣、ローソンと並んで、金泉染のお店「きらくや」があります。金泉染とは、有馬温泉で有名な金泉(赤湯)を使って染めています。龍泉閣にも、その金泉の源泉がありますが、金泉では、温泉成分が沈殿し、「湯の華」という独特な物質が出来ます。朝になると、お湯の表面に温泉成分の結晶が見られるそうです。
金泉染は、すべて手作業で行われていますので、生地や天候によって色の付き具合が異なります。また、布の種類や布の質感によっても色の付き方が変化します。まず、最初に、ドラム缶で布と金泉を約半日かけて煮込みます。次に、生地をなじませるために足で踏みます。そして、余分なお湯を絞りとってから、日陰に干します。日光が当たる、生地がダメになってしまうからです。数ある作品の中でも、「巾着袋」は“金泉=金銭が貯まる”というので、評判の一品だそうです。
営業
時間
9:00〜21:00
定休日 毎週木曜日
(祝祭日は、営業)
TEL 078-904-2818


<ゆかりんのコメント>
金泉染は、機械ではなく、すべて手作業で行われています。とても手間ひまがかかっており、一つ一つすべてのものに味わいがあり、素晴らしいものばかりでした。お店も、とてもかわいらしく、しかも、ゆったりと落ち着ける感じがしました。

<ひっし〜のコメント>
名前からゴージャスな感じを受けた「金泉染」ですが、実際に見てみると、とても素朴で落ち着く染め物でした。特に、生地の違いによって表現の幅を広げるというのがとても印象的でした。





有馬温泉の旅館 龍泉閣スタッフ
有馬ナビ長月号では、「有馬の観光案内・集大成バージョン(前篇)」として有馬の主要な観光施設・や神社・お寺をご紹介しました。次号では、「集大成バージョン(後篇)」として、泉源・名所・その他の有馬情報を一挙掲載の予定です。行楽の秋を迎え、各地で多彩なイベントが開催されます。秋の家族旅行には、有馬温泉の「元湯 龍泉閣」にぜひお越し下さい。(2006/9/2)



※このページは2006年9月に発行されたものです。
最新の有馬温泉と周辺観光地の情報は『龍泉閣日記』をご覧ください。

有馬温泉の旅館 龍泉閣日記

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