夏休みシーズンの到来です。龍泉閣では、幼いお子様連れのお客様にも安心して温泉旅行をお楽しみいただけるよう、各種サービスをご用意しております。
「有馬ナビ」2005年葉月号(#35-1)では、小さなお子様連れでも家族旅行をお楽しみいただけるよう、出発準備から旅行中の注意事項などをスタッフ一同あれこと考え、『お子様連れの旅の便利帖』としてまとめてみました。幸いにもご好評をいただきましたので、今回は、『お子様連れの旅の便利帖A』として、“赤ちゃん歳時記”、“新生児の体・心の変化”、“新米パパへのアドバイス”、“夏に多い事故・病気”、“四季のおやつとご飯メニュー”という5部構成でご紹介します。皆様のご旅行の思い出作りのお手伝いになればと願っております。今年の夏休みには、ご家族で“お子様に優しい宿”を目指す龍泉閣にぜひお越し下さい。
また、水無月号より連載中の和英並記版「有馬の昔話B」として、第11話〜第13話をご紹介致します。ぜひ親子でお楽しみ下さい。
大勢のお客様に神戸〜有馬温泉にお越しいただけますよう、龍泉閣スタッフ一同お待ち申し上げております。

“Ryuusenkaku” Web Site in English
Thank you for visiting our web site. We publish a monthly newsletter “Arima Navi” on this web site featuring hot topics for sightseeing in Arima Onsen, Mt. Rokko, the Kobe, and the surrounding areas.
Arima Navi August issue features “Travel Guide for Families with Babies” in Japanese only and “Arima Folktales (Part 3: No.11 to No.13 Tale)“ in English. We will continue to keep you informed of sightseeing spots in and around Arima Onsen on occation.
All of the staff at Ryuusenkaku are eagerly waiting to serve the many visitors from around the world coming to the beauty of Arima Onsen and neighboring areas.

The Management
Ryuusenkaku
ryuusen@skyblue.ocn.ne.jp

赤ちゃん歳時記 新生児の体・心の変化
新米パパへのアドバイス 夏に多い事故・病気
四季のおやつとご飯メニュー
お子様に優しい宿 お子様連れの旅の便利帖
お子様連れの旅の便利帖1はこちら

赤ちゃん歳時記
子供の誕生は、その「家」の代々の繁栄につながるおめでたい事とされ、様々な行事があります。現代では「家」を尊重する考えではなく、「個人」として1つの命の誕生としてお祝いしますが、子供の健やかな成長を願う親の気持に今も昔も変りはありません。
ご家族の大切な記念となる1日をぜひ龍泉閣でお過しいただき、素敵な思い出を作っていただきたいと思います。スタッフ一同心より皆様のご来館をお待ちしております。

お七夜
お七夜 命名式赤ちゃんが生まれた日から7日目に行うお祝いです。
一般的に、この日に名前を付けることが多いため「命名式」とも呼ばれ、ごく親しい人を招いて披露します。

お食い初め
お食い初め箸揃え、箸祝い、箸初め、とも呼ばれ、生後100〜120日に行うお祝いです。「この子が一生食べるのに不自由しないように、困らないように...」との願いが込められています。
赤ちゃんのために揃えた食器に、赤飯、尾頭付きの焼き魚などを調えてお祝いをします。
龍泉閣では、お食い初めセット(男の子用・女の子用 各8000円)をご用意しております。お孫さんとご一緒に親子3世代そろって、お部屋食でごゆっくりお祝いができます。また、追加注文で、お赤飯(600円)もご用意致します。
※龍泉閣HP「記念日のお手伝い」をご参照下さい。

初節句
赤ちゃんが生まれて初めて迎える節句のことで、女の子は3月3日の「桃の節句」、男の子は5月5日の「端午の節句」です。一般的に、子供の健康と幸福を祈り、賑やかに祝う風習があります。出産を祝って頂いたことへのお礼を兼ねて節句の当日に親しい人を招いて、人形の飾り付けを眺めながらお食事ということが多いようです。
初節句
龍泉閣では、3月3日と5月5日にそれぞれスタッフ手作りの折紙をご宿泊のお子様にプレゼントさせていただいております。宜しければ旅の思い出にお持ち帰り下さい。また、館内ロビーの飾りつけも一工夫しておりますので、ぜひご覧下さい。

七五三のお詣り
七五三は、氏神様にお詣りして、これまでの成長を感謝し、これからの幸福を祈願する行事です。元来は、数え年で3歳と5歳の男の子、3歳と7歳の女の子のお祝いですが、現在では、満年齢でお詣りするご家庭も増えています。

お宮参り
赤ちゃんの将来の健康と幸福を祈り、氏神様にお詣りする行事です。一般的には、男の子が生後31日、女の子が生後32日頃と言いますが、地方によって異なります。あまり慣習にこだわらず、パパがお休みで、赤ちゃんのご機嫌がよく、晴れた気持のいい日を選んでご一家でお参りすることをオススメします。
有馬の中心部にある「湯泉神社」は、大巳貴命(大黒様)、小彦名命(医薬の神)、熊野久須美命(医薬の神)をお祀りし、約1300年の歴史がある、神仏合同の古式豊かな神社です。子授けの神としても有名で、有馬の湯に入り湯泉神社で祈願すれば、子宝に恵まれると伝えられています。※「有馬ナビ#16」をご参照下さい。
お宮参り

初誕生のお祝い
初誕生のお祝い赤ちゃんが生まれて1年目に、無事に満1歳を迎えたことを喜び、初誕生のお祝いをします。
地方によっては、初誕生日に餅つきをしたり、出世魚(ボラ・スズキ・ブリなど)を供えた祝い膳を囲んだりして盛大に祝う風習もありますが、最近では赤飯を炊いて、ケーキにロウソクを1本飾るだけといったことでお祝いを済ませるご家庭も増えています。
初誕生のお祝い
龍泉閣では、鯛の塩焼き(5000円〜)、ケーキ(2800円〜)、花束(3000円〜)のご注文を承っております。お客様のご宿泊日より3日前の予約注文をお願いしております。
※龍泉閣HP「記念日のお手伝い」をご参照下さい。
七五三のお詣り



新生児の体・心の変化
この章では、0ヶ月〜1歳の赤ちゃんの心と体の成長を詳しく取り上げました。
特に、「食べること・飲むこと」についても成長の各段階での注意事項を加えてみました。ご旅行される際に、月齢の目安としてご参考にしていただければ幸いです。

0〜1ヶ月頃
0〜1ヶ月頃新米ママは、生まれたばかりの赤ちゃんにどうして接していいか分からず、最初はオロオロしてしまいます。
でも、少しずつママと赤ちゃんのリズムも合って来るはずです。念願の家族旅行は、その時まで楽しみにとっておきましょう。

体
新生児は、体をモソモソと動かしますが、自分の意志で顔の向きを変えたり、手足を動かしたりは出来ません。この頃は、次のような動きが見られます。
大きな音がすると、両手を大きく広げ何かを抱き込むような姿勢になる(モロー反射)
手の平に何かが触れると握る(把握反射)
口に入ったものをチュッチュッと吸う(吸啜反射)
唇の側をつつくと、そちらの方向へ吸い付こうとする(探索反射)
両脇を支えて足を床につけると、2〜3歩だけ足と足を交互に進める(原始歩行)

心
この時期の赤ちゃんの感情は、快・不快だけと言われます。快適な時には、気持よさそうな表情をして手足を伸ばしてリラックスします。抱っこすると、肌が触れ合い心音が聞こえてご機嫌になるはずです。
不快に感じる時は、泣くことで訴えます。原因によって、泣き方や泣き声が違えば分かりやすいのですが、この時期は親も子も新米なので、うまくいかないようです。よく観察するつもりで抱っこしていたら、そのうち泣き止むでしょう。
また、この頃の赤ちゃんは、眠っている時などにニッコリと笑ったような表情をすることがあります。「アルカイック・スマイル」とも呼ばれ、見ている人を和ませる微笑ですが、ママがあやすと笑うようになるのは、まだもう少し先です。

飲むこと・食べること
この頃の赤ちゃんは、時間に関係なくミルク(母乳)を欲しがるだけ与えて下さい。その内に四六時中ミルクを欲しがらずに、赤ちゃん自身が少しずつ時間を空けてミルクを欲しがるようになります。この時、飲み終えた後は、必ずゲップをさせて下さい。稀に、上手にゲップが出来ない赤ちゃんのおへそが突出する場合があります。

1〜3ヶ月頃
お食い初め
1〜3ヶ月頃生後100〜120日に行う伝統行事である「お食い初め式」の時期に当たります。お家でゆっくりと寛いでいるような雰囲気で、ママものんびりとリラックスできる龍泉閣での「お食い初め」はいかがでしょうか。親子3世代そろっての一家団欒をサポートします。
龍泉閣では、この時期の赤ちゃんのお世話に便利なバウンサーやベビーバスなどの無料貸出しをしております。

体
生後1ヶ月頃になると、首が少しずつしっかりしてきて、うつ伏せの姿勢でも顔の向きを自分で変えることが出来ます。生後2〜3ヶ月になると、両方の前腕で体を支えるようになるので、顔を少し上げることが出来るようになります。この時期は、顔を一方の方向に向けると顔が向いた方の手が伸びて反対側の手足を曲げた、まるでアーチェリーをしているような姿勢(ATNR)がよく見られます。新生児期と比較すると、起きている時間も長くなり、キックするなどして活発になってきます。

心
赤ちゃんの目が覚めている時間が次第に長くなってきます。お腹いっぱいで気持がよければ、ご機嫌です。空腹や寒さと暑さ、オムツが濡れているなど不快なら泣いて表現します。赤ちゃんもパパとママも、お互いに大分慣れてくるので泣いている原因も直ぐに分かるようになります。パパやママが声をかけるとその方向を向いたり、ニッコリしたりします。この時期は、まだ、パパやママと他人の区別がつかないので誰があやしても笑います。

飲むこと・食べること
最初のうちは母乳の出方も一定ではなく、赤ちゃんも上手に吸えないので、授乳時間が不規則になりがちです。吸われることで、母乳も次第によく出るようになってくるので、時間にこだわらずに泣いたら飲ませることを基本にして下さい。徐々にママとのリズムもかみ合ってきます。2ヶ月頃になると母乳を飲むのも上手になり、赤ちゃんなりの授乳間隔が出来てきます。
3ヶ月頃になると、1日の授乳時間がほぼ規則的になっているのが分かります。個人差もありますが、俗に言う“3時間おきリズム”に近い状態になる赤ちゃんも出てきますので、ママも最初と比較すると、ぐっと楽に感じるはずです。

3〜6ヶ月頃
3〜6ヶ月頃1日のリズムも少しずつ安定してくる頃です。ママのリズムと赤ちゃんのリズムが上手く合えば旅行も大丈夫です。
『お子様連れの旅の便利帖@(有馬ナビ#35-1)』での入念な事前チェックを忘れずに、体・心・飲むこと・食べることの月齢をお子様と照らし合わせて出発準備をして下さい。

体
4ヶ月を過ぎる頃、ほとんどの赤ちゃんは首が据わります。頭を自由に動かせるので、たて抱きやラックに座った状態で周囲を見回すようになり、頭をぐっと上げしばらく正面を向くことも出来ます。4ヶ月を過ぎると、肘を支点に手を動かします。さらに5〜6ヶ月になって仰向けにすると、足を上げたり、手をひざに伸ばしたりして体を丸めます(屈曲期)。6ヶ月を過ぎると、手の平を広げて、肘を伸ばし、体を支えるようになり、上半身が持ち上がるようになります。

心
快・不快の感情だけでなく、嬉しい・楽しい・怖いといった感情が発達してくると言われています。機嫌のよい時なら「キャッキャッ」と声を立てて楽しそうに笑い、オムツ替えの時にコチョコチョッとするとくすぐったがるでしょう。3ヶ月を過ぎると満腹中枢が機能するようになるので、母乳やミルクの量が減ることがあります。離乳食を始めると、スプーンや食器に手を伸ばしたりします。

飲むこと・食べること
3ヶ月を過ぎる頃、夜間に少しまとまって眠ってくれる赤ちゃんも出てきます。授乳も上手くいけば4〜5回、3〜4時間おきにと、お腹の空き方が規則的になってくる赤ちゃんも多くなります。夜は授乳なしで朝までグッスリ眠る赤ちゃんもいます。満腹感が分かってくるので飲み方にムラが出たり、飲む量が減ったりすることもありますが、体重が増えてご機嫌もよいなら赤ちゃんが飲みたがるだけ飲ませるので大丈夫です。
離乳の準備に、果汁や野菜スープ、味噌汁の上澄みなどを白湯で薄め、スプーンでほんの1さじくらい飲ませてみてもいいでしょう。市販のベビー用果汁を利用しても構いません。けれど、母乳やミルク以外の味に触れるのが目的なので、嫌がるようなら無理に飲ませなくても構いません。ドロドロした離乳食を始めるのは生後5ヶ月に入ってからになります。

6〜9ヶ月頃
6〜9ヶ月頃1日の生活リズムが少しずつ出来始め、赤ちゃんとママの息も合ってきます。
一人で色々な物に触れようとしたり、周りに見えてくる景色に反応し始めたりします。
パパとママもご一緒に、旅先での赤ちゃんの初めての体験を楽しんでみましょう。抱っこヒモを持っていくと便利な場合があります。
また、この頃は離乳食を始める時期です。龍泉閣では、乳児食として、うどん・おじや・おかゆ(各600円)をご用意しております。ロビーにある電子レンジをご自由にお使いいただけますので、市販のベビーフードなども併用して、気軽なご旅行をお楽しみ下さい。
体
6ヶ月頃になるとうつ伏せの姿勢の時に、しっかり両手を開いて手の平全体で体を支えることが出来ます。上半身を高い位置で支えることが出来、手を突っ張ると体が後ろにずれたり、片方の手だけが強いと体を回転させたりも出来るようになり、“擦り這い(ずりばい)”が始まります。5ヶ月過ぎから、ソファーなどに寄りかかると座っていられますが、しばらくすると姿勢が崩れてしまいます。7ヶ月過ぎから、だんだん一人で支えなしに座っていられるようになります。お座りが出来るようになって安定すると、ハイチェア・B型ベビーカーを使えますのでママの生活の幅もグッと広がります。

心
ママと知らない人を見分ける子も出てきます。見知らぬ人や、たまにしか会わない人にいきなり抱っこされたり、中には目が合ったりしただけで泣き出す子もいます。ママや親しい人とそうでない人、よく知っている場所と知らない場所の区別がついてきたためです。人見知りをするかどうかは個人差がありますので、無理に人見知りを治す必要もないし、逆に人見知りをしないと気に病むこともありません。また、言葉に出して自分の気持ちを表現するようになります。パパやママがあやしていると、それを真似て、同じような声を出すこともあります。周囲の大人は、気持が通じたように感じ、喜びます。

飲むこと・食べること
生後5〜6ヶ月を目安に赤ちゃんの様子を見て離乳食をスタートします。与えるのは1日1回で、ママが赤ちゃんとゆったりと向き合える時間を選んで下さい。なるべく毎日決まった時間にすると生活のリズムがつきやすいようです。この時期の離乳食は、まだスプーンに慣れたり、食べ物の舌触りに慣れたりという段階です。赤ちゃんが嫌がるようなら無理をせずに、ゆっくりと進めていって下さい。
離乳食として、使える食材は、おかゆ・野菜類・豆腐(全てに火を通します)が中心ですが、6ヶ月からは、うどん・白身魚も加えていきます。バターやサラダ油も少量なら使えますので、ホワイトソースや野菜のグラッセなども作れます。納豆や肉類、赤身魚などはもう少し待って7〜8ヶ月くらいからにします。離乳食後の母乳やミルクは、欲しがるだけ十分に飲ませて下さい。

9ヶ月〜1歳
9ヶ月〜1歳この頃になると、一人遊びも上手に出来るようになります。玩具やオムツを忘れずに持っていきましょう。
しかし、忘れたり、足りなくなったりした場合でも、龍泉閣では様々なお子様用品をご用意しておりますのでご安心下さい。
また、離乳食も進んで、色々なものを食べられるようになる頃です。朝・夕共に乳児食(おかゆ・おじや・うどん各600円)をご用意できますので、どうぞご利用下さい。
また、売店コーナーには、顆粒の麦茶・ジュースなどもございます。

体
ハイハイを始める時期には個人差がありますが、お腹を床に付けたままの「ずりばい」から、手の平と膝で体を支えるハイハイに進む子が多いようです。お座り、ハイハイが自由自在に出来るようになると、好きな所に移動し、そこに腰を落ち着けて遊んで、とても楽しそうです。お座りやハイハイ状態からさらに進んで、ソファーや低いテーブルに手をかけて、つかまり立ちしたり、タンスなどに手を伸ばし、つかまりながらヨチヨチと移動したりする子もいます。

心
ママが赤ちゃんの側から離れようとすると、大声で泣いたり、不安そうな顔をしたりするだけでなく、ママをハイハイなどで後追いします。赤ちゃんにとってママが特別な存在で、いないと不安になるというのは、それだけ赤ちゃんとママの絆が出来ているということです。また、「ダメよ!」、「危ない!」と、ママが声をかけると、一瞬動きを止めます。言葉の意味を理解しているよりも、周りの状況や雰囲気でしてはいけないと分かるのでしょう。この頃の赤ちゃんには、「ダメ、ダメ」と言って行動を止めるばかりではなく、事前に危険を防止出来るような環境を心がけるのが親の役目です。

飲むこと・食べること
■9〜11ヶ月
離乳食の食べる量が安定してきて、母乳やミルクが以前より減ったように感じるなら、そろそろ3回食に進んでもいいでしょう。食べる時に、上下のあごをちゃんと動かしてからゴックンと飲み込んでいるなら調理形態もステップアップできます。固さの目安は「バナナ」です。今まで食べていた離乳食を急に食べなくなることもありますが、パパやママと一緒に食べたりすると、よく食べるようになることもあります。
3回食まで進めば、主な栄養の半分以上を離乳食から取るのが理想的ですが、鉄分・カルシウム・ビタミン類などは離乳食から取りにくいものです。1日に最低400mlのミルクを飲ませて不足がちな栄養を補う必要があります。

■1歳
離乳食は完了期に入ります。生活のリズムを整えて、1日に3回の食事と1〜2回のおやつで栄養の大半を取れるようにしていきます。自分で食べたいという欲求もだんだん強くなるので、おにぎりやサンドイッチなど手で持てるメニューもオススメです。スプーンなどを使って食べ物をこぼさずに食べられるのは2歳くらいからです。少しずつ自分で食べさせて、「遊び食べ」、「食欲のムラ」、「偏食」などは、この時期では当たり前と考えて忍耐強く見守って下さい。
おやつを与える時には、食事の後、2時間くらい空けるようにして、甘いお菓子やスナック菓子ではなく、果物・ヨーグルト・おにぎりなどを用意して下さい。大人の食事時間が不規則な時は、赤ちゃんは別にして毎回決まった時間に食べさせる習慣にする必要があります。また、母乳やミルクをいきなり止めてしまうのではなく、離乳食の後で与える量を少しずつ減らしていって下さい。



新米パパへのアドバイス
お風呂入れ
事前準備と赤ちゃんの体調チェック
ベビーバス赤ちゃんにとって、入浴は衛生面だけでなく、適度な運動や生活のリズムにもなります。なるべく毎日同じ時間帯に入れるようにしましょう。生後1ヶ月位までは、ベビーバスに入れて下さい。それ以降は大人と同じ浴槽で結構です。ただし、長湯は赤ちゃんの体力を消耗させますので平均5〜6分(夏5分・冬10分)を目安にして、手際よく入れましょう
<事前に準備するもの>
・ベビー石鹸・温度計・ガーゼ・タオル・ベビーバス・綿棒など
<体調をチェックする項目>
・熱はないか?・下痢はしていないか?・ご機嫌はいいか?・授乳後1時間過ぎたか?

お湯の温度
お湯の温度は38℃(冬季39〜40℃)くらいです。室温は25℃くらいを目安にして、冬季は部屋を暖めておきましょう。また、ベビーバスはお湯が冷めやすいので、ぬるくなったら注し湯をしましょう。

入浴
入浴適温になったのを確認してから赤ちゃんの体をガーゼかタオルで覆い、首を支えて怯えさせないように足の方からゆっくり入れましょう。
一般的な順序としては、「顔→ 頭→ 首→ 脇→ 胸→お腹→ 腕と手→ 股→ 足」から「背中→ お尻」をまんべんなく洗い、最後にお湯に漬けて上がってから、耳と鼻をきれいにしてあげましょう。子供がお風呂嫌いになる原因としては、お湯が熱かった、長湯、浴槽に落とされた、などが考えられます。楽しい雰囲気作りも大切ですね。
龍泉閣では、館内浴場・露天風呂・貸切露天家族風呂・ロビー・カラオケルーム・カラオケルーム横のトイレに、それぞれベビーベッドを設置しております。パパも安心してお子様とご一緒にご利用いただけます。また、フロントにて、ベビーソープ、ベビーシャンプー、ベビーバスチェァの無料貸出しをしております。お気軽にスタッフに声をおかけ下さい。

ビデオ撮影
ビデオ撮影子供のかわいらしい姿と家族の思い出を残すのが写真やビデオです。ビデオの上手な撮影方法をマスターして、素敵な思い出作りに挑戦して下さい。
ビデオ撮影には、画面の安定が一番大切です。自分が見たまま撮ると、画面がグラグラしたり、場面があっちこっちへ行ったりして、まるで船酔いのようになってしまいがちです。画面の安定のために、次のポイントを忘れないように心がけましょう。
<事前に準備するもの>
・ビデオカメラ・三脚
<撮影時のチェックポイント>
写真撮影@カメラをしっかりと持って、むやみに動かさずにじっと構えて撮ることを習慣にして下さい。撮りたいものは何かを考えて、見る人に分かりやすく、見やすい映像を撮るように心がけましょう。また、三脚があれば、それにカメラを載せて画面のグラつきをなくすように工夫してみましょう。
A常に画面を真っ直ぐな位置に維持しましょう。水平線・垂直線から外れていると、見ている人は不快に感じるものです。床が傾いていないか、電柱が斜めになっていないかなどを注意しながら撮影しましょう。また、同じ位置から延々と写すと画面が単調になって表現力が落ちてしまい、見ている人が飽きてしまいがちです。
Bカメラを動かす時は、できるだけゆっくりと動かしましょう。もし他に撮りたいものがある場合は、ビデオ撮影をいったん中止して、ズーム画面の横移動・縦移動は、できるだけゆっくりと行って下さい。
家族旅行の記念に、お子様の成長記録をぜひ写真に収めておきたいものです。龍泉閣では、HPの「写真館」のコーナーで、ご宿泊のお客様のお写真を掲載させていただいております。ご家族揃って、旅の思い出として撮影されてはいかがでしょうか。お気軽にスタッフに声をおかけ下さい。インターネットで、いつでもお客様のお写真をご覧いただけます。

遊びのコミュニケーション
タッチセラピー心の時代を反映して「癒し=ヒーリング」への関心は、世代を越えてますます広がっています。香りの効能を体系的に活用して心身を癒す「アロマテラピー」、動物と接することで心が癒される「アニマル・ヒーリング」などのいろいろな「癒しの技術」が生活の中に浸透しています。
そういう数々の「癒しの技術」の中で、「タッチセラピー」という言葉が注目されています。タッチ=TOUCH、つまり、直接触れる、触ることの効能が見直されています。指圧やマッサージの場合、身体への直接的な効果もさることながら安らぎ感や親和感といった精神的な効果も大きいように思われます。

0〜2ヶ月頃
赤ちゃんはこの時期まだ自分で動くことが出来ませんが、5感が発達する時期です。
聴覚・視覚・触覚、つまり「見る、聞く、触る」感覚が発達します。オムツを換える時にお尻や足を優しく撫でたり、くすぐったりしてタッチセラピーをしましょう。

3〜5ヶ月頃
この時期は、首がしっかりして好奇心も旺盛になります。興味があれば、直ぐに手を伸ばしてきます。
赤ちゃんと顔を見合わせて「百面相」をしたり、「あんよごっこ」をしたり、また、頬っぺを撫でたり、突っついたりして、できるだけ赤ちゃんの好奇心に呼びかけて下さい。

6〜9ヶ月頃
背筋もしっかりとして寝返りで移動することが出来るようになるころです。行動も大分活発になります。
しっかり抱きながら高く持ち上げる「高い、高い」や、転がしたボールをキャッチさせるボール遊び、「いない、いない、ばあ」、「ここまでおいで」、「お風呂遊び」など意外性を利用した遊びや、移動を促す遊びをしてあげましょう。

10ヶ月〜1歳
この時期は、手や指の動きが器用になり、行動も活発で細かい動作なども出来るようになってきます。
手をひいてあげながらの「あんよ」、寝転んで両足を揃え、その上に赤ちゃんを乗せて持ち上げる「飛行機」、それに「肩車」など動きの大きな遊びをしましょう。
いずれの段階でも共通して言えるのは、赤ちゃんに話しかけること、肌が触れ合うスキンシップ(タッチセラピー)を行うことで、赤ちゃんとの心と体の健やかな発達を促し、また、パパ自身の仕事の疲れを癒す(ヒーリング)ことにもなります。
パパもママも日々の疲れを癒すため、温泉に入って十分にリラックスし、心身共に癒して下さい。

人と人との触れ合い、親子の信頼関係
公共の場所、公園などで外遊びをするようになると同じくらいの年齢の友達が増えてきます。こんな時、保護者はこういう友達と遊ばせたいなどと考えますが、親の気持は横において子供同士の交流を大切にして下さい。物の取り合いや喧嘩になった時もしばらく様子を見ましょう。物を取られ悔しい思いをし、叩かれて泣くのも経験のうちです。そうして、「譲り合い」の気持や、「相手を思う」気持を学んでいくのです。
人と人との触れ合い、親子の信頼関係親がいつも先回りして一方的に保護するだけというのでは、子供が自分で考え、学ぶ機会を奪ってしまいます。ぐっとこらえて、子供同士の解決を温かい目で見守るのも親の大切な愛情です。また、親子の信頼関係を深めるためには、親が子供や赤ちゃんにとって「安全基地」であることが重要です。親の居場所を確認すれば、安心して自分の好奇心を満たす遊びや悪戯などに熱中して未知の社会に挑戦していくことでしょう。
龍泉閣ロビーに設置しております「絵本コーナー」は、ご来館いただいたお客様同士の集いの場としても、ご利用いただいております。お子様同士が楽しく遊んでいる間に、パパやママ同士も色々なおしゃべりをして、交流を深めておられます。

新米パパも1日保育にチャレンジ
新米パパも1日保育にチャレンジ赤ちゃんの世話に慣れてきたら、新米パパも“1日保育”にチャレンジしましょう。赤ちゃんと2人だけで1日過ごす自信がないなら、例え半日でも「赤ちゃんの面倒は任せて、どこかに出かけてきたら?」と、たまにはママを育児から開放してあげましょう。
うまくやるコツは、赤ちゃんの1日の生活リズムをあらかじめ確認しておくことです。1日のスケジュールを書き出してもらってスケジュール通りにいつもと同じように過ごして下さい。ミルクを作り、オムツを交換できれば大丈夫です。

事前に確認しておくこと
オムツやオムツカバーを入れてある場所
着替えを入れてある場所
ミルクの量、作り方
帽子やおくるみなどの衣類を置いてある場所
玩具のある場所
ベビーカーの扱い方

赤ちゃんが眠った時のチェックポイント
遊びながらその場で眠ってしまった場合は、ベッドに静かにおろして布団をかけます
ベッドや床で眠ったら、落ちないように注意して布団をかけます。
どこであっても寝てくれるのが一番なので、無理に起こさずに静かにしてあげましょう。
パパも添い寝する場合は、赤ちゃんが先に起き出しても危険がないよう、ご注意下さい。

起きている時のチェックポイント
赤ちゃんがおとなしくしているなら、テレビを見たり、読書をしたりしていても大丈夫ですが、赤ちゃんの側を離れないようにしましょう。
ときどき声をかけたり、顔を覗き込んだり、抱いたり、玩具で一緒に遊んだりして、赤ちゃんを一人ぼっちで長時間放っておかないようにしましょう。
天気がよければ、赤ちゃんと一緒に近所を散歩しましょう。

赤ちゃんが泣いた場合のチェックポイント
オムツが濡れていないか?
お腹が空いていないか?
部屋が暑くないか?または、寒くないか?
衣類に虫などがいないかをチェック
熱はないか?具合が悪そうでないか?
※どうしても泣き止まない時は、散歩して下さい。それでもダメなら、ひたすらあやして、泣き疲れるのを待ちましょう。

授乳についてのチェックポイント
オムツを換えてからミルクを飲ませます。
ミルクを途中で飲まなくなったり、寝てしまったりしたら、頬っぺを突っつくなどして飲むように促しましょう。
飲み終えたら、必ずゲップをさせましょう。
飲み残しのミルクを捨てて、哺乳瓶は洗って、出来るだけ消毒もしておきましょう。
ミルクを飲み終わったのに、まだ欲しがっても規定量以上あげないようにして下さい。
龍泉閣の売店コーナーでは、オムツ、お尻拭き、麦茶やフルーツジュースの顆粒などを含めて、玩具もいくつか販売致しております。貸出し用バギー、ベビーカー、お風呂用玩具、ベビーソープ、ベビーシャンプー、シャンプーハット、バスチェアなどの無料貸出しをしておりますので、ご利用下さい。詳細は、龍泉閣HP「お子様に優しい宿」のコーナーをご参照下さい。また、子育て真っ最中のスタッフに対して、何かお気付きの点がございましたら、お気軽に声をおかけ下さい。

子供は泣くのが仕事です
子供は泣くのが仕事です@赤ちゃんは、とてもよく泣きます。たいていの赤ちゃんは、1日に数え切れないくらいの回数泣いています。昼間だけでなく、親が熟睡している真夜中でも遠慮なく泣きます。しかし赤ちゃんが理由もなく泣くことはありません。自分の意志や状態を伝える手段として泣いているのです。

A泣いたら必ず対応してあげましょう。泣く理由はたくさんありますが、代表的なのは、お腹が空いた時、オムツがおしっこで冷たくなった時でしょう。その他にも、痒い、痛い、イライラ感、寂しい時、眠りたいのに眠れない時など、何か不快なことを体で感じたら直ぐに泣く、という回路がインプットされていることを理解しておくことが大切です。

B赤ちゃんが泣いた時に直ぐに対応して、抱き上げたり、言葉掛けをしたりすると、やがて赤ちゃんは、「泣けば必ずパパやママが来てくれる」と分かります。そうなると、意識的に泣いて、親を呼ぼうとしたり、泣き方を自分で調節したりするようになります。赤ちゃんの知的進歩です。それまで、本能でしかなかった「泣く」という行為が次第に言葉と同じコミュニケーションの手段として使われることになります。言葉の力やコミュニケーションの力は、こうして準備されていきます。
(a) 赤ちゃんが泣く、代表的な理由
お腹が空いていないか?
オムツは濡れていないか?
喉が渇いていないか?
(b) 赤ちゃんが泣く、その他の理由
暑すぎたり、寒すぎたり、温度が快適ではない
外気浴、散歩が不足している
痛いところや、痒いところがある
熱がある
体に何か巻きついたり、当たったりしている
服がきつかったり、ゴワゴワしたりしている
日中ずっと構い過ぎている

C赤ちゃんが泣いている時は、こうした理由を探して、泣いている原因を取り除いて下さい。慣れてくると、泣き声を聞いただけで、赤ちゃんが何を求めているか分かるようになってきます。パパとママにとって辛い「夜泣き」は、大体生後6ヶ月頃から始まります。泣く原因もはっきりしないし、夜泣きを止めさせる決定的な対策もありません。時が来れば自然と収まるものですから、一時的なことだと割り切りましょう。
龍泉閣にご宿泊予定のお客様で、お子様の夜泣きがご心配な場合は、お電話での予約確認の際に事前にご相談下さい。




夏に多い事故・病気
夏に多い事故・病気※ご用意するもの
健康保険証、母子手帳、ビニール袋、タオル、着替え、ティッシュペーパー、ミルク、哺乳瓶
※子供の症状の伝え方
「救急車を呼んでください」:住所、氏名、年齢、性別、電話番号
子供の状態:症状、経過

熱中症
熱中症1)「風通しが良い、涼しい場所へ移動させる」
体温を下げるために、木陰などの風通しの良い涼しい場所に寝かせる。
冷房の効いた室内に運ぶ場合、エアコンの室内温度は20℃に設定する。
2)「頭を低くし、衣類にこもる熱を発散させる」
足の下にクッションなどを置いて高くし、頭の位置を低くして寝かせ、安静にする。
服を脱がせたり、ボタンをはずしたりして衣類にこもった熱を発散させる。
3)「頭や体を冷やす」
うちわや扇風機で風を送りながら、冷たい水で濡らし軽く絞ったタオルやガーゼで頭や額などを拭く。
体も同じように、汗が止まって熱が下がるまでタオルやガーゼで繰り返し拭く。
4)「水分を十分に補給する」
幼児用のイオン飲料などの水分を欲しがるだけ与える。
嘔吐している場合は、数回に分けて少しずつ水分を与える。

夏風邪
夏風邪
一般に「夏風邪」と呼ばれているのは、夏の代表的なウイルスであるエンテロウイルス、または、アデノウイルスに感染したことによる風邪症状です。ここでは、4種類の夏風邪についてご紹介します。

ヘルパンギーナ
@どんな病気か?
コクサッキーA型ウイルスの飛沫感染(くしゃみや咳により飛散)が主な原因で発症します。経口感染することもあります。感染してから、発症までの潜伏期間は3〜5日で、急に、のどちんこの根っこ付近に水泡ができたり、赤くただれたりして痛がります。
A受診の目安
安静にしていれば3〜4日、水泡も1週間ほどで消えます。水疱が破れてただれ、潰瘍になると、のどが痛むので食欲がなくなることもありますから、必ず受診してください。また、稀に無菌性髄膜炎を併発する恐れもありますので、ご注意ください。

プール熱
@どんな病気か?
アデノウイルスが原因で患者の唾液や目やに、便などから感染します。感染力が強く集団生活の場やプールで流行します。潜伏期間は5〜7日間で、突然38〜40℃の高熱が出て、5日間程度続きます。目は充血し、目やにも出ます。ノドが赤く腫れて膿が溜まって痛み、鼻水や咳が出ることもあります。
A受診の目安
高熱が出るので、直ぐに受診してください。稀に肺炎を併発して重症になる恐れもあります。充血や目やにがひどい場合は、結膜炎や角膜炎を起こす危険性もありますので、眼科の受診が必要です。1〜2週間は他の人にうつす恐れがありますので、ご注意ください。

手足口病
@どんな病気か?
コクサッキーA型ウイルス、エンテロウイルスによる飛沫感染と経口感染などが原因で発症します。潜伏期間は3〜6日で、手のひらや足の裏、口内中心に平らな楕円状の水泡ができます。熱も出ますが、高熱になる場合と、そうならない場合があります。1〜3日で治まりますが、高熱になる場合は、無菌性髄膜炎を併発する恐れもありますので、ご注意ください。
A受診の目安
水分が十分に取れないほどぐったりしている場合は、脱水症状の恐れがありますので必ず受診してください。また、高熱、嘔吐、機嫌が悪くなるなどの症状が見られる場合にも必ず受診してください。水泡は1週間くらいで治まります。

細菌性髄膜炎、無菌性髄膜炎
@どんな病気か?
細菌やウイルスが髄膜まで侵入し発症します。高熱が続き嘔吐を繰り返し、頭痛のために、ひどく機嫌が悪くなります。また、けいれんを起こしたり、意識がはっきりしなくなったりするというような症状が出ます。
A受診の目安
高熱、嘔吐、不機嫌(頭痛)などの症状が見られたら、直ぐに受診してください。緊急処置が必要となりますので入院します。無菌性髄膜炎の場合は、上記の症状を和らげる処置をしながら回復を待ち、1週間程度で退院できます。細菌性髄膜炎の場合は、原因となる細菌に対する抗生物質を使って治療します。

皮膚トラブル
日焼け
日焼け日焼け予防の第一は、日焼け止めクリームを塗ることです。大人も子供も同じです。子供用の日焼け止めクリームは、低刺激性ですから安心してお使いください。また、クリームばかりでなく、お出かけする時には必ず帽子をかぶるようにしましょう。帽子は日焼け予防だけでなく熱中予防にも、また転倒した時の事故防止にもなります。

虫刺され
夏場は虫に刺される機会が増えます。子供の肌は柔らかく、免疫力も弱いので、蚊に刺されただけでも赤く腫れてしまいます。刺した虫によっては発熱することもあります。子供にとって夏の虫は大敵です。
多く見られるのは蚊、ブヨ、ダニ、蜂などによるトラブルです。刺した虫によって症状は異なりますが、かゆみや痛みがあって赤く腫れ上がることが多く、大人に比べて反応が早く、強く出るのが特徴です。また、かゆみがひどくて、かきむしるので患部から細菌感染し、トビヒになるケースもあるため、注意が必要です。

あせも
あせもは、汗っかきの子供がかかりやすい病気です。暑さや動き回ったことで汗がたくさん出で、ほこりや汚れ、汗の成分で汗腺が詰まってしまい皮膚の内側で溜まってしまうことから炎症を引き起こす病気です。
子供は、大人と同じ数の汗腺を持ちながら、体の表面積が小さいので、汗腺が狭く密集しています。そのため、あせもになりやすいのです。皮膚を清潔にしていれば、自然に消えますが、細菌感染することもあり、注意が必要です。
2〜3日しても症状が治らないような場合は受診してください。


夏を快適に過ごす環境づくり
食事と水分補給
食事と水分補給大人でも夏場は食欲が落ちてしまいがちです。子供も暑さで体力を消耗しているので、普段より食欲が落ちることがありますが、その時は無理に食べさせようとせずに、水分補給に気を配り、食欲が回復してきたら食べさせるようにしてください。
冷たいものや麺類などであれば食欲も増すでしょう。麦茶や幼児用イオン飲料、果物などで水分を補うことも大切です。

服の着せ方
子供は、屋外でもお家の中でも汗っかきです。常に速乾性のある素材の衣服を選ぶよう心がけるのが一番です。なるべくゆったりしたものにしましょう。肌にフィットした服は、汗でべとべとになった肌と服がこすれあって、皮膚のトラブルの要因にもなります。袖口も、襟口も広めのものをお選びください。
外出時には、冷房の強い所や、日差しの強い所へ行くことも考えて、薄手の長袖のものをご用意ください。また、帽子は直射日光だけでなく、熱中症の防止や転倒時の事故防止にもなります。肌着は着用しなくても、マメに着替えさせることでお肌を常に清潔に保つようにしてください。

室内の温度設定
外気との温度差もありますが、室内温度は常に26〜28℃くらいに保つようにしておきましょう。凉しすぎても、暑すぎてもダメです。室内温度を特に低めに設定すると外へ出掛けた時に、外気との温度差に対応しきれずに子供の体に負担をかけてしまうこともあります。子供は、体温調節が未熟ですから、急激な温度の変化に弱いのです。また、逆に高すぎても、適度に水分を取っていない状態なら軽い熱中症になることもありますから、室内温度を常に適切なレベルに維持するようご注意下さい。

睡眠
夏場は、暑さだけで体力を消耗します。それは、子供だけではなく、大人でも同じですが、子供は、ずっと暑さに弱いので、大人以上に体力を消耗してしまいます。1時間でも2時間でも、少しでも長い時間、睡眠をとれるように環境を整えてください。冷房をかける場合は、室温を26〜28℃に設定し、エアコンや扇風機からの冷たい風が直接、体に当たらないよう、特にご注意ください。
昼寝の時間が少し長くても、昼間の疲れから十分に回復しているわけではありませんから、夜間もたっぷり睡眠をとるようにしてください。睡眠中に冷房のかけすぎで、お腹を冷やす恐れがあります。エアコンの「タイマー設定」によって、明け方、外気温度が下る頃に運転を停止させるなど、室内温度を常に適切なレベルに維持するようご注意下さい。
四季のおやつとご飯メニュー


四季のおやつとご飯メニュー
この章は、「番外編」として、一家団欒で楽しいファミリー・クッキングにチャレンジです。毎日お仕事で頑張っているパパ、毎日美味しいご飯を作ってくれるママへのご褒美として、お子様にも頑張ってお手伝いしてもらいます。また、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんへのプレゼントとして、クッキングを一緒に楽しみながら喜んでいただきます。ここでは、1歳くらいからしてもらえるお手伝いをご紹介しています。

春
おやつ 春キャベツの蒸しケーキ
材料 キャベツ(大きな葉2〜3枚)、水(50cc)、ご飯(大さじ3杯)、自然塩(少々)
調理方法 (a) キャベツを洗った後、手で千切ります。細かくなったキャベツと水を鍋に入れ、自然塩を振りかけて蓋をし、蒸し煮します。蒸気が上がってきたら、トロトロになったキャベツを取り出します。
(b)キャベツとキャベツの出し汁が入った(a)の鍋にご飯を入れて、弱火で少し固めのおかゆを作ります。
(c)アルミカップにおかゆを入れ、蒸し器で蒸して出来上がりです。
お手伝い キャベツをビリビリと楽しく手で千切ってもらいます。

ご飯 人参を練りこんで作る手打ちパスタ
材料 ニンジン(4分の1本)、小麦粉(100g)、自然塩(少々)、水(少々)、オリーブオイル(大さじ1杯)
調理方法 (a)綺麗に拭いたテーブルか、大きなお盆の上で小麦粉を練ります。
(b)真ん中をくぼませて、そこに自然塩とオリーブオイルを入れます。
(c)さらに、ニンジンをすり下ろしたのを加えて練りこんでいきます
(d)耳たぶくらいの硬さになったら(こね過ぎると手の熱で乾いてくるので要注意です)、麺棒で平らに延ばしてから包丁で一口サイズに切ります。
(e)鍋にお湯を沸かして塩を入れ、出来たてのパスタを茹でると完成です。(浮き上がってきたのを1つ食べてみて柔らかくなっていたらOKです)
お手伝い 麺棒で平らに延ばす前に大きく広げ、手の平で薄く延ばしてもらう。

夏
おやつ 夏野菜の寒天ゼリー
材料 粉寒天(2g)、水(200cc)、キュウリ(4分の1本)、プチトマト(2個)、
ズッキーニ(4分の1本)、とうもろこし(少量、缶詰でもOK)、自然塩(少々)
調理方法 (a)鍋に湯を沸かし、自然塩を入れてからズッキーニをゆでます。冷めてから緑色の皮の部分が残るように刻んで下さい
(b)プチトマトは、湯むきして皮を取り、キュウリと一緒に細かく刻みます。
(c)刻んだ野菜類をボウルに入れ、手でよくかき混ぜます。
(d)鍋に水と粉寒天を入れてふやかし、弱火で加熱します。
(e)寒天が溶けてきたら、カップに野菜を入れて(d)を静かに注ぎ入れます。少し固まってきたら、野菜をほんの少し彩りよく散らすように入れて固めます。
(f)冷蔵庫に入れると硬くなってしまうので、お子様には、そのまま型から出して食べさせて下さい。(お好みでメープルシロップを塗っていただいても結構です)
お手伝い ボウルの中の刻んだ野菜類を手でかき混ぜてもらいます。

ご飯 トマトリゾット
材料 白身魚の切り身(10g)、トマト(湯むきしたもの4分の1個)、レタス(2分の1枚)、白飯(子供茶碗で3分の1杯)、無添加コンソメスープ(大さじ3〜5杯)、スライスチーズ・粉チーズ(お好みで適当量)
調理方法 (a)白身魚を耐熱容器に入れ、ラップをかけて電子レンジで約30秒加熱した後、骨と皮を取り除き、フォークなどで細かくほぐします。
(b)トマトは、種を取り除いてから、みじん切りにします。
(c)レタスも、みじん切りにします。
(d)小鍋にご飯とコンソメスープを入れて火にかけます。ご飯が柔らかくなったら、(a)と(c)を加え、ひと煮します。
(e)耐熱容器に盛って、チーズとパン粉を載せてオーブントースターでこんがり焼きます。(熱が中にこもりやすいので、十分に冷ましてから、食べさせて下さい)
お手伝い スライスチーズを手でちぎったり、型抜きを使ったりして、好きな形にして載せてもらいます。最後に、粉チーズをパラパラと振りかけてもらいます。

秋
おやつ 栗のペーストで作る秋味のモンブラン
材料 むき栗(大3個)、サツマイモ(2分の1本)、水(大さじ1〜2杯)、オリーブオイル(少々)、食パン(1歳なら1〜2枚)
調理方法 (a)サツマイモを蒸し、蒸しあがる頃に栗を加えて柔らかくします。(約10分)
(b)皮をむいたサツマイモと栗の両方を裏ごしし、水とオリーブオイルを(アレルギーの心配のないお子様であれば、バターを)少々加えて延ばし、ペースト状にします。
(c)食パンを丸く切り抜いて台を作ります。型抜きがあれば、それで台を作って下さい。
(d)ペーストを野菜のスライサーの穴の小さい所に通してチューブのように押し出します。
(e)ペーストがモンブランのように糸状になったら出来上がりです。
お手伝い 大きめの型抜きを使って、食パンの押し抜きをしてもらいます。

ご飯 鮭とほうれん草のわかめ雑炊
材料 生鮭の切り身(10g)、ほうれん草(お好みで適当量)、昆布だし(4分の1カップ)、
ワカメ(戻したのをみじん切りに 小さじ1杯分)、おかゆ、または、白飯(子供茶碗2分の1杯)、醤油(適量)
調理方法 (a)生鮭は、ゆでて骨と皮を取り除き、フォークなどで細かくほぐします。(塩鮭は、塩分が多すぎるので、避けて下さい)
(b)小鍋に昆布ダシを入れ、(a)とワカメ、白ご飯を入れて弱火で加熱します。
(c) (b)の小鍋に細かく刻んだ、ほうれん草を茎の部分から入れます。葉の部分まで入れた後、ひと煮立ちさせます。
(d)仕上げに醤油を加えて味を調えます。
お手伝い ほうれん草をジャブジャブと洗ってもらいます。ほうれん草を適当な大きさに手で千切ってもらいます。(根っこの部分は、あらかじめ千切っておきます)

冬
おやつ イチゴのプディング
材料 イチゴ(5〜6個)、水(適量)、食パン(8枚切厚めのパン2枚)、三温糖(大さじ1杯)、オリーブオイル(少々)
調理方法 (a)プリン型か、それに近い形の容器の内側にオリーブオイルを塗っておきます。
(b)食パンの耳を切り落とし、型に合わせて底用、蓋用、側面用の3種類のパンの切れ端
を作ります。
(c)半分に切ったイチゴと水を鍋に入れて、三温糖をまぶすようにして加え、イチゴを丸ごと煮たものを作ります。
(d)型に底用のパンを敷き、側面は端が少し重なるようにして貼り付け、その中に(c)のジャム煮を詰めます。
(e)蓋用のパンは煮汁に浸してから蓋をし、ラップを上からピッタリ掛けて押さえつけます。
(f)冷蔵庫で一晩なじませます。食卓に出す直前に型から取り出して、ジャム煮を表面に少量かけると、出来上がりです。
お手伝い イチゴをジャブジャブ洗ってもらった後で、イチゴの葉っぱを千切ってもらいます。(最後に残った葉を取り除き、仕上げて下さい)

ご飯 たっぷり野菜の玄米リゾット
材料 玄米(1合)、野菜スープ(野菜のヘタなどを湯で漉した汁50 cc)、パセリ(少々)、ニンジン(3分の1本)、お湯(200 cc)、ジャガイモ(2分の1個)、自然塩(少々)、カブ(4分の1個)、白菜(1〜2枚)、タマネギ(4分の1個)、プチトマト(適量)
調理方法 (a)玄米をフライパンで炒り、沸騰したお湯にすばやく入れます。自然塩を入れ、蓋をして弱火で1時間炊き、10分間蒸らします。(炒った玄米を電気釜で炊くことも出来ます。その場合は、水を多目にして、柔らかく炊いて下さい)
(b)タマネギをみじん切りにし、よく炒め、スープストックにします。
(c)カブ、ニンジン、ジャガイモ(芽の部分は切り取っておく)は、サイコロ状に切ってゆでておきます。白菜も細かく刻んでゆでておきます。
(d) (a)の半分の量と(b)のスープストックをミキサーにかけて、滑らかな玄米クリームを作ります。
(e) (d)の玄米クリームを鍋に移して、さっと煮立てます。
(f) (e)の鍋に(a)の残りの玄米を足します。
(g) (f)に(c)を加えてパセリのみじん切りを飾って、出来上がりです。
お手伝い お皿に出来上がったリゾットを入れます。水洗いし、へたを取っておいたプチトマトで飾り付けをしてもらいます。周りをグルッと囲い込んだり、お顔にしたりしては、いかがでしょうか。



有馬の昔話
日本最古の湯と言われる有馬温泉には伝説や昔話がたくさん伝わっています。そこで、龍泉閣のスタッフが古い文献を参照したり、町のお年寄りにお聞きしたりして有馬の昔話をまとめてみました。有馬周辺の地名にまつわるお話を中心に、親子でお楽しみいただける昔話を集め、龍泉閣スタッフが描いた挿絵入りでご紹介します。
また、海外からお越しのお客様にも、有馬の歴史に関心をお持ちの方が大勢いらっしゃいますので、西宮市在住の米国人、バート・A・スミスさんのご協力を得て全16話を完全な和英並記版としました。

Considered to be Japan’s oldest hot springs resort, Arima Onsen is the setting of many Japanese legends and folklore handed down for generations. Consulting classical Japanese texts and the elderly citizens of Arima, the Ryuusenkaku staff has compiled this special collection of Arima folktales for your enjoyment.
Centering on the stories originating from area of Arima Onsen, these stories were collected and illustrated by the staff of Ryuusenkaku for the enjoyment of parents and children. Since many people have expressed an interest in the history of Arima, including our overseas guests, we have compiled a bilingual edition in Japanese and English of 16 tales in total with the kind cooperation of Mr. Bart A. Smith, an American translator residing in Nishinomiya City.


阿弥陀堂と古茶釜こぶ坂おとくさん


有馬の昔話 阿弥陀堂と古茶釜

有馬の昔話 阿弥陀堂と古茶釜
ある時、太閤秀吉(1536-98)が天神山の側にある蘭若院阿弥陀堂という禅寺を訪ねた時のことです。和尚さんは澄西和尚といいました。この和尚さんの頭は、とても大きく猪みたいな形をしていたので、太閤様は「妙な形の頭じゃな。そうじゃ、利休を呼べ!」と、千利休を呼び、和尚の頭の形をした茶釜を作るように命じました。
利休はこの釜を天下一与次郎に作らせて、「猪首釜」と名付けましたが、人々は寺の名から「猪首釜」のことを「阿弥陀堂(あみだどう)」と呼ぶようになりました。
これが茶の湯に用いられる「阿弥陀堂釜」の始まりです。与次郎作の阿弥陀堂釜は、糸桜で有名な有馬の善福寺に今も伝わっています。

One day Toyotomi Hideyoshi (1536-98) visited a Zen temple near Mt. Tenjin called Ranjaku-in Amida-do where he saw the large head of the chief priest. Hideyoshi thought that the head of the chief priest resembled a large boar and remarked to the priest. “You have a strange head; let’s call for Rikyu.” He called for Sen-no-Rikyu, the most famous master of the tea ceremony, and ordered him to have a teakettle made in the shape of the chief priest’s head. Rikyu asked the great craftsman Yojiro to make the kettle. Upon its completion, the teakettle was named “bullnecked kettle.” However, people called it “Amida-do,” and this is how Amida-do teakettle got its start for use in tea ceremony. The Amida-do kettle made by Yojiro continues to be handed down at Arima Onsen’s Zenpukiji, a temple famous for its weeping cherry trees.



有馬の昔話 こぶ坂

有馬の昔話 こぶ坂
むかしむかし、ひとりの病人がいました。眼の上に大きなこぶが出来たので、有馬温泉に入り、薬師如来様にお祈りして治そうとしました。はるばると、有馬まで来て温泉につかり治そうとしましたが、残念ながら病は治りませんでした。仕方なく、病人はすごすごと有馬を後にしました。ところが、有馬の東のはずれにある坂道にさしかかると、突然、熟した果物が木から落ちるように眼の上のこぶがポロリと取れました。それを聞いた人々は、この坂を「こぶ坂」と呼ぶようになりました。有馬温泉から瑞宝寺に通じるこの坂道は、今ではきれいに舗装されています。

In olden times, there was a sick man with a big “kobu (lump)”, over his eye. Hoping to be cured, he went to Arima Onsen and prayed to Yakushi Nyorai to heal him. Despite coming all the way to Arima and bathing in the hot springs, he was not cured. Resigned to his fate, the sick person decided to leave Arima. Incidentally, there is a slope to the east of Arima. As the sick man was walking up the slope to leave Arima, the lump miraculously dropped from above his eye like ripe fruit dropping from a tree. When people heard about that they started calling the place “Kobu-zaka (Lump Slope)”. This sloping path going from Arima Onsen to Zuihoji Temple is now neatly paved.



有馬の昔話 おとくさん

有馬の昔話 おとくさんむかしむかし、まだ有馬温泉が「摂津国の湯山(ゆのやま)」と呼ばれていた頃、湯山 (有馬)に入る最後の峠に小さなお堂がありましたが、これは、旅人が休むための小屋で、仏様やお地蔵様などをお祀りしていました。このお堂で、おとくという小母さんが一人暮らしをしており、宿屋でお客さんのために山菜摘みをしていました。その宿屋は、湯治と山菜料理でお客さんの病気がどんどん回復するので評判になりました。

有馬の昔話 おとくさんある日、遠く離れた丹後(京都の北にある国)から女の子と母親の二人連れがこの宿屋にやってきました。一家四人の手足がしびれ、激しい痛みで毎日苦しんでいるが、お金が十分ないので、とりあえず娘と二人だけで来た。「もし治れば、もっと働いて、家にいる旦那と息子も連れて来たい」と言いました。おとくさんは、直ぐに山菜を食べてもらい、湯治もさせましたが、母娘は日毎に弱っていきました。

有馬の昔話 おとくさんそして、「お金が無くなったので明日帰ります」と言って、布団に横たわったまま泣くのです。

おとくさんは、万病によく効くという木の実を知っており、それは、お堂の近くの、こんぶ滝の直ぐそばに生えていました。
この木の実は、辺りに住む狼の大好物だったので、これまでは狼の仕返しを恐れ絶対に摘んだりしませんでしたが、母娘の哀れな様子を見て、ついに木の実を摘みに行く決心をしました。
こんぶ滝で木の実を見つけ、狼の食べる分を残し、母娘二人分の木の実を持って帰り支度を始めましたが、丹後で苦しんでいる旦那さんと息子さんの姿を思い浮かべ、思わず狼の食べる分まで摘んでしまいました。

有馬の昔話 おとくさん宿屋に帰って母娘に食べさせると、すぐに熱が下り、痛みが取れて痺れもなくなりました。すっかり元気になった母娘は峠の下あたりまで何度も振り返って頭を下げて、お礼を言いながら丹後まで帰っていきました。おとくさんも、その母娘の姿を見て大変喜びました。
有馬の昔話 おとくさん
その後、おとくさんが姿を見せないまま何日か過ぎ、近所の人々が総出で山や谷を毎日探し歩きましたが、見つかりませんでした。数日後、山奥の谷で、おとくさんの着物をくわえた狼を見かけたという人が現れました。人々は、それを聞いて大層悲しみ、皆でお堂の前に立派なお墓を立てました。

一年ほど経って、丹後から病気の治った一家四人が名産の丹後ちりめんを持ってお礼にやって来ましたが、宿屋の主人から、おとくさんの哀れな最後を聞いて、とても驚き悲しみ、おとくさんを偲んで、お堂の中に石佛を安置し丹後ちりめんの着物を着せました。

In olden times, the Arima Onsen was called “Yu-no-yama (Bath Mountain)” of the Settsu Country, and there was a hut in the range of mountains after entering the Yu-no-yama or Arima. This hut honoring Buddha and Jizo (guardian deity of children) was built as a place for travelers to rest. At this hut, there was a woman named Otoku who lived there and gathered mountain vegetables and herbs for the guests at an inn. Gradually, the inn had gained a reputation for healing the illness of the guests using mineral baths and providing food with wild plants.
One day a girl and mother came to this inn from the distant land of Tango (a country to the north of Kyoto). The hands and feet of the four people of the family were numb and they experienced extreme pain everyday, but since they had no money, only two, the daughter and the mother, came to be healed. The mother said that if they were healed, she would work hard to bring the husband and son staying at home. Otoku-san soon had them eat mountain vegetables and take mineral baths, but the mother and daughter became weaker each day, and as they lay on their bed crying, the mother said, “We have no more money and have to go home tomorrow.”
Otoku-san knew of a fruit from a tree, which was said to be very effective for all kinds of illnesses. The tree was found close to Konbu Waterfall near her hut. However, a wolf lived near to the tree and this fruit was the favorite of the wolf. Otoku-san had never considered picking the fruit for fear of wolf’s retaliation, but seeing the pitiful sight of the mother and daughter, she instantly resolved to pick fruit from the tree. She discovered the tree with the fruit by Konbu Waterfall. She picked some of the fruit but was careful to leave enough fruit for the wolf. As started to return to the inn with portions for the mother and the daughter, she thought of the father and son suffering in Tango and without thinking she picked the wolf’s portion of the fruit.
When she returned to the inn to feed the mother and daughter, their fever broke, and both their pain and numbness were relieved. With their health restored, the mother and daughter set off to return to Tango. Expressing their gratitude abundantly, the mother and daughter descended the mountain, waving and bowing all the way. Otoku-san, too, was overjoyed seeing the mother and daughter with their health and spirits restored.
Soon after that, Otoku-san was not seen for several days. Her neighbors went out and searched the mountain and fields almost everyday, but Otoku-san was never found. A few days later, a person appeared who said that he had seen the wolf in the valley in the heart of the mountain with Otoku-san’s kimono in its mouth. When everyone heard that, there was a great layer of sadness. They built a fine gravesite for her in front of the hut.
About a year later, the four members of the family came from Tango and brought a Japanese silk crepe, a noted product of Tango, to give to Otoku-san. However, after hearing the sad end of Otoku-san from the master of the inn, they thoughof Otoku-san’s compassion, and in remembrance of Otoku-san, they constructed a stone statue of Buddha inside the hut and clothed the statue in a kimono made of Tango crepe.





有馬温泉の旅館 龍泉閣スタッフ
有馬ナビ葉月号では、「お子様連れの旅の便利帖A」を特集しました。次号では、「有馬の観光案内:集大成バージョン」および「有馬の昔話C」をご紹介します。これからも、有馬温泉とその周辺の観光スポットを引き続きご紹介して参りますので、是非ご期待下さい。(2006/7/26)

Arima Navi August issue features “Travel Guide for Families with Babies” in Japanese only. We will continue to keep you informed of sightseeing spots in and around Arima Onsen. Your support and patronage are highly appreciated. Thank you. (July 26th, 2006)



※このページは2006年6月に発行されたものです。
最新の有馬温泉と周辺観光地の情報は『龍泉閣日記』をご覧ください。

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