日本のあちこちに恋愛祈願の「南京錠伝説」というがあります。カップルが南京錠に名前や願い事を書き、特定の場所に南京錠をかけるというオマジナイです。
南京錠に願をかけたカップルは固く結ばれるというので、各地で流行しており、こういうカップルを「ロック・カップル」と呼びます。最近では、ハート形の南京錠や、南京錠に名前を刻印するサービスまで登場しています。
神戸にも、そのようなロック・カップルに人気のスポットがあります。元町のすぐ北にある諏訪山の中腹、標高約160mにある約90mのラセン橋、ヴィーナス・ブリッジです。ここからは、神戸中心街の高層ビルなど、迫力のある夜景を間近に見ることができ、北野異人館からも近く、有名なデート・スポットになっています。
ヴィーナス・ブリッジに南京錠が付けられ始めたのは、最近数年のことで、歌手の山根康広さんが95年にリリースした『ALWAYS』の歌詞にヴィーナス・ブリッジが出てきてからです。コンサートで山根さんが「南京錠恋愛祈願のおまじない」を紹介したことで、さらに広まったそうです。
今ではヴィーナス・ブリッジに付けられた鍵は約3,600個もあり、観光客から「景観を損なう」との苦情が多く寄せられたため、神戸市は、鍵の撤去を決定するとともに約500万円の費用をかけて、展望広場の一部を「ヴィーナス・テラス」として整備し、2〜3,000個の鍵が付けられるモニュメントを2004年12月に設置することになりました。
神戸市が撤去する錠前の"受け皿"として設置を決めた『愛の鍵モニュメント』のデザインを「ヴィーナス(金星、愛の女神)」をテーマに募集したところ、116点の応募がありましたが、東京芸術大の渡部高弘さんの作品が優秀賞に選ばれました。
その作品は、青と赤のスチール製フレーム二本を組み合わせたシェルター型のデザインで、上から見ると、四つのハートを組み合わせたように見えます。
現在は工事中ですが、公募した10組のカップルによる除幕式が12月9日にあります。