今から五十年程前の寒い冬のある日、「龍泉閣」の先々代(今のスタッフの祖父)が有馬の山の中を歩いている時に、たくさんの蛇がとぐろを巻いているのを見かけました。「真冬なのに冬眠しているはずの蛇がいるというのは、この下に温泉があるからにちがいない!」と思った祖父がその場所を掘ったところ、豊富なお湯が泉のように湧き出ましたので、そこに旅館を建てました。そして蛇にちなんで「蛇泉閣」と名付けようとしましたが、「それじゃ怖いよ、気味が悪いよ!」と家族全員が大反対しました。
結局、蛇に似ていて縁起が良く、天に昇るという龍にちなんで「龍泉閣」と名付けることになりました。その後、いつの間にか旅館のロゴマークが龍から、かわいらしい「たつのおとしご」に変わっていきました。
龍泉閣が建っている見晴らしの良い高台の山すそを流れる川は、今も「蛇谷川」と呼ばれています。
今後とも、祖父の思いを引き継いで「元湯
龍泉閣」を守り育てていきたいです。また、三羽烏や有馬の三恩人のことも忘れずに、有馬温泉が栄えていくよう努力したいと思います。
― めでたし、めでたし ― |
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